研究課題/領域番号 |
21K08728
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
渋谷 圭 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50511490)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肝腫瘍 / 放射線治療 / 粒子線治療 / 代償性肝肥大 / 集学的治療 / 重粒子線治療 / 肝切除 |
研究開始時の研究の概要 |
肝切除は肝腫瘍に対する強力な治療手段であるが、肝臓の容積が足りずに切除を断念せざるを得ないことも多い。重粒子線治療を切除予定側に照射することで、腫瘍の制御とともに健側葉の代償性肥大が期待できる。本研究では開腹下肝照射モデルと画像解析の手法を用いて重粒子線照射後の肝容積の変化を明らかにし、既存治療の欠点を克服する新たな集学的治療の開発へつなげることを目的とする。
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研究成果の概要 |
ラットを用いたin vivoモデルにて部分肝照射はPVEと同様に非照射領域の代償性肝肥大を引き起こすこと、代償性肝肥大の機序として肝細胞分裂の増加が寄与していることが示された。部分肝照射後12週での血液生化学的検査では明らかな肝機能の悪化を認めず、代償性肝肥大は肝予備能の維持に寄与していることが示唆された。臨床例での検討では、重粒子線治療の肝細胞障害の閾値は肝予備能が保たれている場合、X線よりもかなり高いレベルにあることが示され、治療時の肝機能温存における優位性が示唆された。一方で、代償性肝肥大については予想に反して閾値線量を超える照射領域と肝肥大の間に明らかな相関は確認できなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
重粒子線治療を含む放射線治療が有意な代償性肝肥大を引き起こすことが確認され、代償性肝肥大と強力な抗腫瘍効果を併せ持つ新たな術前治療としての可能性が示された。臨床例の検討により、重粒子線照射による肝細胞障害の閾値が古典的な生物学的効果比から算出されるレベルよりも高かったことから、重粒子線治療が生物学的にも肝機能の温存に有利である可能性が示唆された。重粒子線治療と切除を組み合わせた集学的治療につながる知見となることが期待される。
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