研究課題/領域番号 |
21K08731
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
横山 幸浩 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (80378091)
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研究分担者 |
山口 淳平 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院准教授 (00566987)
渡辺 伸元 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (20746903)
江畑 智希 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (60362258)
國料 俊男 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院准教授 (60378023)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 術前腸内環境 / 高度侵襲消化器外科手術 / 便中有機酸濃度 / 潜在的バクテリアルトランスロケーション / 腸内細菌叢プロファイル / バクテリアルトランスロケーション / 術後感染性合併症 / プロバイオティクス / 短鎖脂肪酸 |
研究開始時の研究の概要 |
われわれは先行研究で、周術期にプロバイオティクスを使用することにより、術後感染性合併症発生が抑制されることを確認してきた。われわれがプロバイオティクスとして使用したものはLactobacillus casei ShirotaおよびBifidobacterium breve Yakultであったが、これらがプロバイオティクス製剤として最善のものであるかについては不明である。ヒトの腸内には術後感染性合併症をより強く抑制する菌が存在する可能性がある。本研究では、高度侵襲外科手術後の合併症を最も強力に抑制する腸内細菌種を、無菌マウスにヒトの腸内細菌叢を移植したモデルを用いて探索することを目的にする。
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研究実績の概要 |
これまでの間に高度侵襲消化器外科手術を受ける患者の術前の便を約2,200例分、血液を250例分ほど集積した。今年度はこれらの検体を解析し、術前腸内環境と術後感染性合併症の関係について調べた。中間解析では、術前便中有機酸濃度の中で乳酸濃度が上昇した患者ではより術後感染性合併症を発生しやすいことが判明した。また術前に採集した血液は、細菌特異的リボゾーマルRNAをターゲットにしたRT-PCR法で解析し、術前の潜在的菌血症の有無を調べ、その結果と術後感染性合併症の関連を調べている。少なくとも食道癌手術症例においては、術前潜在的菌血症の存在と術後手術部位感染症(SSI)に有意な相関があることが判明した。また、高度侵襲肝胆膵外科手術においては、術前便中の乳酸濃度が高いと、より高率に術後感染性合併症が発生することが判明した。現在、便中乳酸濃度が高値となるメカニズムについて、腸内細菌叢プロファイルのデータと相関させながら解析を続けている。また臨床データと便中乳酸濃度の相関関係を調べたところ、胆道閉塞によるドレナージを行っている患者でより便中乳酸濃度が高いことがわかった。 上記研究結果については、日本外科学会、日本消化器外科学会、日本肝胆膵外科学会、日本外科感染症学会などで発表している。また邦文の総説論文も何編か報告している。現在英語論文を作成中である。 便検体は豊富に集積したが、当初の研究目的である新規プロバイオティクス製剤の開発を行うには、まだ相当量の詳細な解析を続ける必要がある。
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