研究課題/領域番号 |
21K08735
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安藤 幸滋 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (20608864)
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研究分担者 |
沖 英次 九州大学, 大学病院, 講師 (70380392)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | トポイソメラーゼI / プロテアソーム阻害剤 / イリノテカン / 大腸癌 / 消化器癌 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
TopoIの分解にはDNA-PKcs, Ku70, Ku80, BRCA1, BARD1の各分子が関わっていることを我々は発見した(Ando et al. Oncotarget, 2017)。このメカニズムの過程でtopoIセリン10残基のリン酸化が重要であることを見出し、この部位の抗体(topoI-pS10)を作成した。このtopoI-pS10抗体による免疫組織化学染色はイリノテカン感受性とよく相関することも見出した。また、topoI分解は最終的にユビキチンプロテアソーム経路により行われる。このため、この経路を阻害すれば、topoI阻害剤感受性をもたらすことができると考える。本研究ではこれら二つの発見を統合し、topoI阻害剤を用いたより効果的な治療法の探索及び開発を行う。
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研究実績の概要 |
プロテアソーム阻害剤を併用した新たなイリノテカン療法の開発に向けて、本年度は大腸癌細胞株を用いた基礎検討を行った。3種類の大腸癌細胞株(HCT-15、HCT-16およびDLD-1)を用いて各細胞株のイリノテカン感受性をまずは解析した。 HCT-16のみが感受性株であり、HCT-15およびDLD-1は耐性株であった。これらの耐性株ではイリノテカン暴露後にtopoisomerase I (topoI)の分解が確認された。この分解を止めることができれば、イリノテカン耐性を解除できると考え、プロテアソーム阻害剤を併用した。併用したところ、二つの株でのtopoI分解は抑制された。 つづいて、細胞死の実験を行った。イリノテカン投与のみでは、HCT-15およびDLD-1での細胞死は高濃度のみで認められたが、プロテアソーム阻害剤を併用すると、イリノテカンが低濃度の条件下でも細胞死が認められた。 すなわち、プロテアソーム阻害剤を併用することによりイリノテカン耐性株でのtopoI分解を抑制することで、イリノテカンの効果が高まったことが示唆された。 本研究結果をもとに、現在動物実験遂行のための計画を行っている。2023年度中には動物実験も終了できると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞株を用いたin vitroの研究は終了した。今後、動物実験モデルを用いたin vivo研究に進むために、研究機関に申請をしており、早ければ2023年夏から研究が開始できる。
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今後の研究の推進方策 |
マウスモデルを用いたin vivoの実験に進む。
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