研究課題/領域番号 |
21K08742
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
福永 哲 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (20245731)
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研究分担者 |
李 賢哲 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30758321)
小林 敏之 公益財団法人環境科学技術研究所, 生物影響研究部, 研究部長 (40260070)
折田 創 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (50465069)
波田野 琢 順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60338390)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | パーキンソン病 / αシニクレイン / 虫垂 / 脂肪代謝 / 虫垂切除 / 慢性虫垂炎 / ASシード / 虫垂炎 / αシヌクレイン / 脂肪酸合成蛋白 |
研究開始時の研究の概要 |
虫垂切除によりパーキンソン病 (PD)の発症率を下げる可能性が報告されてから、虫垂切除に対する議論がなされている。PDと腸管との関連も注目されており、腸からαシヌクレイン(AS)シードが迷走神経を介して脳へ伝播するが、虫垂はASが凝集し易く、切除することでASシードが減少し発症率を下げるという可能性が指摘されている。近年慢性炎症とそれに伴う腸脂質代謝の変化は癌化や神経変性などに関与すると指摘されており、ASの異常集積に影響を及ぼす可能性を想起した。そこで本研究では、慢性虫垂炎症例におけるASシードを測定し、構造や蓄積過程を観察し炎症や脂肪酸代謝との関連を検討する。
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研究成果の概要 |
アルファ・シニクレイン(AS)とパーキンソン病(PD)との関連について、腸管ASが脳へ伝搬されることがPD発症の要因となりうるかという問いに対して、虫垂ASの凝集メカニズム解析を目的として、慢性虫垂炎手術摘出した虫垂26例を用いてWesten blot法(WB)によるASタンパク発現の検討を行ったところ、脂質による泳動の乱れをとらえることが出来た。そこで、脂質除去処理を行ったところ、バンドが明確になりASの発現量を正確に捉えられることができた。虫垂炎患者26症例すべてにASモノマーが存在していることを見出した。さらに、切断型ASモノマーが26症例中20症例で存在していることも確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パーキンソン病(PD)は神経変性疾患の1つでわが国では約20万人が罹患している。2018年にKillingerらのコホート研究により、虫垂切除がPD発症リスクを20%も抑えるという報告を受け、腸管の中でも虫垂内で、原因物質であるアルファ・シニクレイン(AS)が何らかの影響を受け、これが脳へ伝搬される可能性が指摘された。 今回の我々の研究で、虫垂内にASが豊富に存在すること。さらに、脂質によりASが凝集している事象をつかむことが出来た。PDの患者さんでもASは虫垂内に豊富に存在することから、脂質に修飾されたASが起こすメカニズムについて、次の研究費を頂き、このさらに迫るつもりである。
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