研究課題/領域番号 |
21K08749
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
佐野 彰彦 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20431702)
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研究分担者 |
佐伯 浩司 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80325448)
宗田 真 群馬大学, 医学部附属病院, 准教授 (70507326)
横堀 武彦 群馬大学, 未来先端研究機構, 准教授 (60420098)
酒井 真 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (70420099)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | HSP110 / PD-L1 / Hyperthermia / Luciferase assay / luciferase assay / 免疫チェックポイント阻害剤 / 温熱療法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、がん薬物療法の中で近年、高い治療効果と予後延長効果から臓器横断的に適応拡大が進んでいる免疫チェックポイント阻害薬に着目した。免疫チェックポイント阻害薬は胃癌や大腸癌などの消化管癌に対しても適応であるが、治療前に免疫寛容が誘導されていない低免疫原性の腫瘍には治療効果を示さないことが報告されている。このような腫瘍を温熱療法により免疫原性が高く炎症細胞浸潤が活発な状態に変換させることが出来れば、免疫チェックポイント阻害薬による治療効果を増強し得る可能性がある。 本研究により難治性消化管癌に対する免疫チェックポイント阻害薬による治療成績の向上が期待される。
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研究成果の概要 |
胃癌切除検体198症例について、免疫染色における核内におけるHSP110高発現群は、低発現群と比較し有意に予後不良であり、病理学的な静脈侵襲の有無とHSP110発現に有意な相関がみられ、PD-L1発現とHSP110発現は統計学的に有意な相関がみられた。 マウス大腸癌細胞株(MC38)を用いた検証では、HSP阻害薬(KNK437)+温熱療法(42℃, 2時間)により抗腫瘍効果が得られることが確認された。担癌マウスを用いた動物実験に対して、Hot Plate Methodを用いた温熱療法を実施することで、Tumor volumeの有意な減少がみられることが確立出来た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
難治性消化器癌に対する新たな治療戦略として、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を用いた治療が期待されているが、低免疫原性の腫瘍においては治療効果が乏しいことが報告されている。胃癌切除検体における検討で、腫瘍細胞核内におけるHSP110発現が予後不良因子として同定され、PD-L1発現とHSP110発現に有意な相関がみられた。また細胞実験によりHSP阻害薬と温熱療法を併用することにより、抗腫瘍効果が得られることが確認された。 本研究により、HSP阻害薬+温熱療法とICI療法の組み合わせが新たな治療戦略となり得ることが期待される。
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