研究課題/領域番号 |
21K08751
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
村田 聡 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (90239525)
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研究分担者 |
住本 秀敏 滋賀医科大学, 医学部, 特任講師 (00306838)
下地 みゆき 滋賀医科大学, 医学部, 技術補佐員 (50796448)
谷 眞至 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60236677)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 癌免疫細胞療法 / ネオ抗原 / CTL / PDX / 免疫チェックポイント阻害薬 / OX40 / TCR改変リンパ球 / 免疫細胞治療 / PDXマウス |
研究開始時の研究の概要 |
新規抗原(Neo-Ag)特異的細胞傷害性T細胞(CTL)を利用する養子免疫療法の有効性が小規模臨床研究で示されているが、Neo-Ag同定の非効率さやCTLの生体内での不活性化、腫瘍の免疫逃避機構の克服が課題である。独自開発した優れたNeo-Ag同定法とメモリーCTL培養技術をを基に、本研究は、患者由来Neo-Ag反応性T細胞受容体遺伝子で自己Tリンパ球を改変し、in vitroでOX40刺激により効率よくメモリー機能を付与させ、さらに腫瘍免疫逃避機構解除の抗PD-1薬を組み合わせた後にpatient-derived xenograft (PDX)マウスへ移入することにより抗腫瘍効果を証明する。 Neo-Agを利用した新しい個別化新規養子免疫細胞療法のプラットフォームが構築できる。
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研究実績の概要 |
新規抗原(Neo-Ag)特異的細胞傷害性T細胞(CTL)を利用する養子免疫療法の有効性が少規模の臨床研究で示されているが、Neo-Ag同定の非効率さやCTLの生体内での不活性化、腫瘍の免疫逃避機構の克服が課題である。我々は既存技術より優れたNeo-Ag同定法と担癌生体内でメモリー機能の維持が可能なCTL培養技術を独自に開発した。 本研究は、患者由来Neo-Ag反応性T細胞受容体遺伝子で自己Tリンパ球を改変し、in vitroでOX40刺激により効率よくメモリー機能を付与させ、さらに腫瘍免疫逃避機構解除の抗PD-1薬を組み合わせた後にpatient-derived xenograft (PDX)マウスへ移入することにより抗腫瘍効果を証明する。 1)PDXモデルの作成;患者のNeo-Ag特異的メモリーCTLが同一患者の腫瘍に対して生体で抗腫瘍機能を発揮することを確かめるため、大腸癌手術患者1名、胃癌手術患者1名、乳癌手術患者1名から患者腫瘍を摘出(F0腫瘍)し、NOGマウス(免疫不全マウス)の皮下に移植し、生着した腫瘍(F1)を摘出し、さらにNOGマウスに移植して生着した腫瘍(F2)を摘出し凍結保存できた。患者リンパ球由来TCR改変CTLが誘導できた後に患者腫瘍を用いた抗腫瘍効果実験が可能となる。 2)Neo-Ag候補の同定; 大腸癌、胃癌、乳癌患者の癌組織および正常組織より抽出したDNAのwhole exome sequenceにて、癌組織での体細胞突然変異を同定している。アミノ酸変異を伴う変異に絞り、RNA transcriptome解析でRNA発現を示す変異遺伝子を同定しNetMHCを用い患者HLA-class Iに親和性の高い変異抗原ペプチドをNeo-Ag候補として同定しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PDXマウス作成のために1cm^3程度の腫瘍量が必要であり、その腫瘍量を研究のために提供できるだけ十分に大きな腫瘍のある手術患者が少なかったため、患者のRecruitに想定以上の時間を要した。 また、ネオ抗原同定のために行うDNAのwhole exome sequenceに必要な高額な試薬等を無駄なく使用するには、患者3人分ずつまとめて行う必要があり、PDXモデルのためのF2腫瘍が3人分揃うのに時間を要し、ネオ抗原同定に若干の遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、対象患者のRecruitを続け(膵癌患者、食道癌患者、胆道癌患者 各1名予定)、PDXモデル実験に使用できるF2腫瘍を形成していく。 さらに、ネオ抗原の同定からネオ抗原特異的患者リンパ球由来TCR改変CTLを誘導していく。 誘導した患者リンパ球由来で患者腫瘍のネオ抗原特異的TCR改変CTLを用いて、患者腫瘍(F2)に対する抗腫瘍作用をPDXマウスモデルで評価する。
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