研究課題/領域番号 |
21K08762
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
松井 康輔 関西医科大学, 医学部, 准教授 (40460828)
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研究分担者 |
小坂 久 関西医科大学, 医学部, 講師 (00532251)
海堀 昌樹 関西医科大学, 医学部, 教授 (30333199)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | Lenvatinib内包メッシュ / 肝細胞癌 / DDS |
研究開始時の研究の概要 |
抗癌剤は全身投与が一般的で、癌局所のみならず正常組織にも作用して副作用が現れる為、高い抗腫瘍効果を認めるにもかかわらず、副作用の為に化学療法を中止せざるを得ない場合も多い。本研究では、生体分解能を持ち、内包させた薬剤を長期間徐放する事ができるポリカプロラクトン(PCL)をナノ繊維状に加工したスマートシートに、肝細胞癌治療薬であるレンバチニブを内包させたレンバチニブ内包スマートシートを作製して肝細胞癌局所に直接貼付する事で、全身投与と比較して少ない薬剤使用量で抗腫瘍効果を維持した上で副作用を軽減し得るか評価する事を目的とし、抗腫瘍薬の新規DDS樹立の基盤となり得る世界初の研究である。
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研究実績の概要 |
本研究の目的はヒト肝細胞癌移植マウスモデルにおいて、Lenvatinib内包メッシュを腫瘍に直接貼付することで、抗腫瘍効果を維持しつつ、副作用を軽減し得るかを明らかにする事であり、化学療法剤の効果的な運用に資する新規治療deviceの有効性を検証する事である。 本研究では肝細胞癌治療薬であるLenvatinibを内包させたメッシュを直接癌局所に貼付することで、全身投与と比較して少ない薬剤使用量で抗腫瘍効果を維持した上で副作用を軽減し得る可能性があり、抗腫瘍薬の新規DDS樹立の基盤となり得るかを検討している。 まずヒト肝細胞癌皮下移植マウスモデルを用いたLenvatinib内包メッシュによる抗腫瘍効果の検討を行い、良好な結果を得てきた。ヒト肝細胞癌肝転移モデル・ヒト肝細胞癌肝移植マウスモデルを用いた、Lenvatinib内包メッシュの肝臓直接貼付による抗腫瘍効果の解析において、良好な抗腫瘍効果を確認している。さらに一方で、肝臓腫瘍部にLenvatinib内包メッシュを直接貼付する事で肝機能障害が惹起される可能性があるため、これまでの実験結果に基づいて至適投与条件下に調整したLenvatinib内包メッシュ群と、Lenvatinib経口投与群における抗腫瘍効果、副作用を比較してLenvatinib内包メッシュ群の副作用低減効果を確認、抗腫瘍効果と副作用のバランスを確認した後、抗腫瘍効果を出来るだけ維持した上で肝機能障害を許容範囲にするLenvatinibの濃度、及び徐放期間を肝転移モデル/肝移植モデルを用いて検討し、至適条件を再設定する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Lenvatinib内包メッシュとLenvatinib経口投与の抗腫瘍効果、及び副作用の比較検討として、これまでの実験結果に基づいて至適投与条件下に調整したLenvatinib内包メッシュ群と、Lenvatinib経口投与群における抗腫瘍効果、副作用を比較してLenvatinib内包メッシュ群の副作用低減効果を確認。ヒト肝細胞癌肝転移モデル・ヒト肝細胞癌肝移植マウスモデルを用い、Lenvatinib内包メッシュの肝臓直接貼付による抗腫瘍効果の解析として、作成方法が確立されている肝転移モデル、直接肝注入による肝移植モデルを用い、Lenvatinib内包メッシュを肝臓に直接貼付した抗腫瘍効果、及び副作用の程の評価を行っており、おおむね予定通り研究は進められている。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト肝細胞癌肝転移モデル・ヒト肝細胞癌肝移植マウスモデルを用いて、Lenvatinib内包メッシュの肝臓直接貼付による抗腫瘍効果の解析を行っている一方で、肝臓腫瘍部にLenvatinib内包メッシュを直接貼付する事で肝機能障害が惹起される可能性があるため、抗腫瘍効果と副作用のバランスを確認した後、抗腫瘍効果を出来るだけ維持した上で肝機能障害を許容範囲にするLenvatinibの濃度、及び徐放期間を肝転移モデル/肝移植モデルを用いて検討し、至適条件を再設定する予定である。
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