研究課題/領域番号 |
21K08781
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
小川 雄大 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (40733621)
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研究分担者 |
猪股 雅史 大分大学, 医学部, 教授 (60315330)
衛藤 剛 大分大学, 医学部, 准教授 (00404369)
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
大嶋 佑介 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (10586639)
大西 峻 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (10614638)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ヒルシュスプルング病 / ラマン分光法 / 畳み込みニューラルネットワーク / 光バイオプシー |
研究開始時の研究の概要 |
ヒルシュスプルング病は腸管壁内神経叢の先天的欠如が原因となる小児の消化管機能異常疾患である。ヒルシュスプルング病手術で無神経節腸管の境界確認には術中迅速病理検査を行う必要があるが、術中にその境界を明確に同定することは困難である。近年、物質にレーザー光を照射した際に分子の固有振動によって生じる散乱光の波長シフト(ラマン散乱光)を利用し細胞や組織中の分子の構造や組成を無標識で可視化できる手法(光バイオプシー)としてラマン分光法が注目されてきている。その原理に基づき神経組織を特異的かつ高感度で判別するためのラマン分光法を開発しAuerbach神経叢を術中に可視化する革新的な光診断技術の実現を目指す。
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研究成果の概要 |
確実かつ客観的に無神経節腸管の切除範囲を決定するために、手術室に搬入可能な小型ラマン分光システムを開発し、ヒルシュスプルング病3症例について、無神経節腸管の粘膜上皮のラマンスペクトル測定を行った。スペクトルデータに対して、ニューラルネットワークおよび決定木アルゴリズムを適用し、病変部の判別成績の評価を行った。また、二光子蛍光顕微鏡を用いて無神経節腸管の粘膜上皮の形態学的・組織学的な解析を行った。結果として、3症例ともに、ラマン分光法と機械学習の組み合わせによって、90%以上の精度をもって同一患者における病変部と正常部の判別に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒルシュスプルング病(H病)は、腸管壁内神経叢の先天的欠如が原因となる小児の代表的な消化管機能異常疾患である。無神経節腸管の切除が必要であるが、術中迅速病理診断をもってしても100%ではなく、無神経節腸管の残存が引き起こす腸炎や排便障害による再手術が問題となる。近年、物質に光を照射した際の分子の振動情報により分子構造を解析するラマン分光法が生体内でのリアルタイムモニタリングとして応用されており、術中迅速病理診断に代わる新たな診断方法として注目されている。本研究はH病手術において、ラマン分光法を用いた無神経節腸管範囲を非侵襲的かつリアルタイムに同定する新たな術中診断法の開発に寄与する。
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