研究課題/領域番号 |
21K08783
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
喜多 芳昭 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (30570692)
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研究分担者 |
盛 真一郎 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (00620519)
松下 大輔 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (10724205)
大塚 隆生 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (20372766)
佐竹 霜一 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (20866438)
野田 昌宏 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40836128)
関 直彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50345013)
田中 貴子 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (50866415)
保坂 優斗 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (70866425)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 分化転換 / オルガノイド / micro RNA / 3D培養 / 消化器癌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,固形癌の治療抵抗要因とされている腫瘍内不均一性に関連する「分化転換に着目し①食道発癌モデルおよび腺扁平上皮癌モデルを用いて,各分化段階の腫瘍オルガノイドの培養作成方法の確立,それぞれプロファイルし分化誘導因子候補を抽出②腫瘍オルガノイドで組織型や分化型の変化を誘導できるか検証③治療効果を含めXenograftモデルでの検証 以上を行う.同定した因子を用いて強制的に腫瘍を変化させることが可能になれば,治療不応となった腫瘍に対しての新たな治療の可能性が広がり,個別化治療における治療選択・予後予測に繋がると考えられる.
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研究実績の概要 |
①分化転換研究の根底となる「腫瘍の組織型・分化型を明確に規定する因子」を同定すべく4NQO投与ノックアウトマウス発癌モデルでのオルガノイド作成,また大腸癌の臨床サンプルからオルガノイドを作成し,分化転換因子候補をスクリーニングも行っている。 ②大腸癌臨床サンプルの次世代シークエンス解析によって抽出されたマイクロRNA,miR-139-3pが細胞増殖、浸潤能、遊走能いずれも抑制する抗腫瘍効果を持つことを明らかにし,その標的遺伝子がKRT80(Keratin80)であることを同定した.さらに,miR-139-3p導入株およびsiKRT80導入株で, Aktのリン酸化タンパクの発現が抑制されている事より,miR-139-3pがAktのリン酸化を阻害していることを明らかにした.KRT80のさらに下流の制御を確認するため,siKRT80導入したHCT116についてアレイ解析を施行,HK2(Hexokinase2;Hexokinase familyの1つで,AktとHK2はがん細胞において過剰発現し,さらにともにインスリンにより発現量が増加することから,PI3K/Aktシグナル伝達系とヘキソキナーゼ2の発現量に正の相関があることが報告されている)の発現が抑制されていることを明らかにし,治療対象としてのKRT80の可能性を見出した(Yasudone R, et al.Int J Mol Sci. 2022 ). ③化学療法を行った大腸癌切除標本を用いて,VEGF阻害剤がPD-1陽性細胞の数を減少させ,FOXP3陽性リンパ球およびCD163陽性単球の浸潤を腫瘍環境で阻害する可能性があることを明らかにし(Hamada Y, et al.Scand J Gastroenterol. 2023),進行性大腸癌患者の腫瘍免疫環境の変化について研究継続中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスモデルはすでに確立しており,オルガノイド培養を確立しており,分子転換因子のスクリーニングを開始しているが,有力な候補因子の同定に至っていない.
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今後の研究の推進方策 |
4NQO投与ノックアウトマウス発癌モデルからのオルガノイドを解析し,幹細胞マーカー・癌代謝領域オートファジーマーカーによる細胞分画やcaspase 3 活性アッセイやオートファジー検出アッセイで詳細な解析を行う.必要に応じてsortingを行い,その相違・変化を明確にし,相違・変化が大きかった2群で次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子解析による比較を行い,組織型・分化型を規定する候補因子を同定する.RNA- Sequencingは継続して行い,分化転換関連microRNAの検索を行う.また免疫環境評価も平行して行っていく.
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