研究課題/領域番号 |
21K08791
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大塚 英郎 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (50451563)
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研究分担者 |
堀内 久徳 東北大学, 加齢医学研究所, 非常勤講師 (90291426)
石田 晶玄 東北大学, 大学病院, 講師 (90619660)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 膵癌 / ATM / Ral / gemcitabine / 低分子量GTP結合蛋白 / 発癌 |
研究開始時の研究の概要 |
Ral(Ras like) GTPaseは,Ras familyに属する低分子量GTP結合蛋白であり,Rasの下流で活性化し機能する.RasがDriver遺伝子とされる膵癌では,その下流で機能するRalが悪性化に重要であると示唆される.我々は,免疫不全マウスへの移植実験で,RalGAP発現を抑制した膵癌細胞の腫瘍増殖,浸潤・転移が著明に亢進することを明らかにした.本研究では,これまでの成果を発展させ,RalGAP cKOマウス等を駆使して膵癌の悪性化,浸潤・転移能の獲得機序を分子レベルで解明するとともに,その臨床的意義を明らかにし,膵癌治療における新たな標的分子としての可能性を検証する.
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研究成果の概要 |
Ral(Ras like) GTPase(以下,Ral)は,Ras familyに属する遺伝子であり,Rasの下流で活性化し機能する.RasがDriver遺伝子とされる膵癌では,その下流のRalが悪性化に重要である.Ralは、放射線などによるDNA障害時の修復機構(DDR)に深く関与する。我々は、DNA損傷時のDDR機構、特にAtaxia telangiectasia mutated(ATM)分子に着目し、その膵癌での役割、Ralとの関与について研究を行した.本研究により、ATMの発現低下が浸潤・転移能の獲得に関与すること、抗がん剤感受性が低下し術後生存期間が短くなる、との知見が得られた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ATMは、膵癌で変異頻度の高いDDR遺伝子の1つとされており、2-18%に体細胞変異が、1-34%に生殖細胞変異が報告されている.本研究では、膵癌臨床検体におけるATMおよび活性化体リン酸化ATM の発現を検討し、リン酸化ATMの発現が低い症例で生存期間が有意に短く、治療成績が不良であることを明らかにした。また、培養膵癌細胞を用いて、RNA Sequencing 法により ATM下流域の遺伝子の発現変化を検討、抗がん剤感受性に深く関与することを明らかにした.ATMとその下流域での分子生物学的メカニズムの解析は、特にその変異陽性症例での新たな治療ターゲットの開発を可能にすると考えられる.
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