研究課題/領域番号 |
21K08793
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小野 宏晃 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (60466901)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 膵癌 / 抗がん剤 / リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤 / 合成致死 / 上皮間葉転換 |
研究開始時の研究の概要 |
RRM1発現に伴う網羅的発現変化をRNAシークエンス法にて評価し、これら検査結果の検証を行っていく。RRM1 siRNAを用いてpreliminaryなin vitro実験を施行した。RRM1機能抑制に伴い細胞増殖能低下や細胞内DNAダメージ上昇も明らかとなった。このように先行した実験結果は本研究の方向性が正しいことを実証するものであり、本研究にてさらなる詳細なin vitro解析によるRRM1関連メカニズムの解明を試み、PDXマウスモデルを用いてRRM1阻害剤の臨床応用性を評価していきたいと考えている。
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研究実績の概要 |
本研究は、リボヌクレオチドリダクターゼに関連したRRM1遺伝子の機能解析を目的としている。膵臓癌細胞において以前報告した我々の論文を含めてRRM1発現と術後予後悪化との関連性が知られている。一方でRRM1の膵臓癌における詳細な分子機構はいまだ明らかとなっていない。その詳細な分子機序の解明を目的として、RRM1遺伝子とゲムシタビンにおける関連機序ならびに、RRM1遺伝子の悪性化への形質獲得メカニズムに関与するメカニズムの解明を試みている。具体的にはRRM1遺伝子と細胞周期を介した細胞増殖能に関する機能解析、またゲムシタビン耐性を介してRRM1遺伝子と浸潤遊走能や上皮間葉転換(Epitherlial-mesencymaltransition:EMT)との関連メカニズムを探索する。さらには膵臓癌における新規治療薬としてのRRM1阻害剤の臨床的有用性を立証すべく、当科独自に樹立した膵癌患者組織から作成したPDXマウスモデル、ならびに当院消化器内科との共同研究にて膵癌オルガノイドを用いることで、本研究を通してRRM1阻害剤としての臨床応用の可能性を模索する。膵臓癌治療のキードラッグであるゲムシタビンにおけるRRM1遺伝子の機能解析を通して、RRM1阻害剤の新規治療薬の開発を目的としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RRM1遺伝子と膵臓癌における予後との関連性やゲムシタビンにおける機能解析に着目した論文を報告した(Cytoplasmic RRM1 activation as an acute response to gemcitabine treatment is involved in drug resistance of pancreatic cancer cells. PLoS One. 2021 Jun 10;16(6):e0252917. doi: 10.1371/journal.pone.0252917. eCollection 2021.)。RRM1はゲムシタビン急性期において耐性に関連し細胞質におけるRRM1発現上昇を確認した。さらにゲムシタビン耐性を介したRRM1遺伝子発現上昇のメカニズムの一つとしてヒストンアセチル化の関与を示し、RRM1遺伝子が細胞外マトリックス関連遺伝子の発現変化を介して浸潤遊走能が亢進しや上皮間葉転換(Epitherlial-mesencymal transition:EMT)との関連する論文を報告した(RRM1 is mediated by histone acetylation through gemcitabine resistance and contributes to invasiveness and ECM remodeling in pancreatic cancer.Ono H et al,Int J Oncol. 2023 Apr;62(4):51. doi: 10.3892/ijo.2023.5499. Epub 2023 Mar 3.)。RRM1遺 伝子と細胞周期を介した細胞増殖能に関する機能解析およびRRM1阻害剤Clofarabineの有用性に関する研究結果を今後論文作成する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はRRM1に関する機能解析の論文の作成をすすめること、さらには学会発表を積極的に行い実験結果の報告を対外的にアピールしていくことを行っていく。
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