研究課題/領域番号 |
21K08798
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
古出 隆大 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (40795415)
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研究分担者 |
西田 満 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30379359)
松田 武 神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (30782734)
掛地 吉弘 神戸大学, 医学研究科, 教授 (80284488)
山下 公大 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (80535427)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 直腸癌 / Wntシグナル / 化学放射線療法 / 免疫療法 / 腫瘍微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、Wntシグナル活性に基づく新しい直腸癌術前化学放射線・免疫複合療法の開発を目的とする。術前化学放射線療法が及ぼす腫瘍免疫微小環境の変化をWntシグナル活性に着目して解析し、良好な腫瘍免疫環境が誘導され、免疫チェックポイント阻害剤併用療法の適応となる症例を絞り込むWntシグナル関連のバイオマーカーを同定する。また、良好な腫瘍免疫環境が誘導されない症例では、Wntシグナル活性を阻害することにより良好な腫瘍免疫環境が誘導できるか検証する。さらに、マウス大腸癌放射線モデルにおいてWntシグナル活性に基づく免疫チェックポイント阻害剤併用療法の有効性を検証する。
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研究実績の概要 |
昨年度までの研究結果概要は、下記であった。 1.NACRT直腸癌生検組織における免疫組織学的解析において、β-カテニン発現強度とNACRT奏効度は有意に相関している。2.全生存率とβ-カテニン発現は相関していたが、無再発生存率とβ-カテニン発現は相関していなかった。3.NACRT後直腸癌において、CD8+浸潤の程度と組織学的奏効度は高い相関性を示した。4.CD8+の高浸潤群は、低浸潤群と比較して、有意に無再発生存率が良好であった。5.レジデントメモリーCD8+T細胞の細胞密度は、無再発生存率に寄与しなかった。これらの結果についてはBiomedicines. 2023 Jan 10;11(1):174. doi: 10.3390/biomedicines11010174に論文報告した。 今年度は、BALB/cマウスにCT26マウス大腸癌細胞株を用いて、放射線腫瘍マウスモデルを作成し、放射線照射量に関する治療効果、CD8+T細胞の浸潤、およびExhaustionを含む分化状態の評価を行った。その結果、大腸癌培養細胞株移植マウスモデルにおいて、放射線照射量依存的な抗腫瘍効果を示した。また、放射線照射量依存的にCD8+T細胞が誘導された。さらに、抗原刺激に対して反応し、疲弊・分化したと思われるPD-1+Tim-3+CD8+T細胞が増加を示した。 今後は、これまでの結果をもとにNACRTによる免疫活性化において変動するWntシグナル関連分子を腫瘍組織内で測定し、使用可能なバイオマーカー候補を同定する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト直腸癌NACRTにおけるWntシグナル活性と腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の免疫組織解析において、当初は、深層学習アルゴリズムを用いて解析予定であったが、アルゴリズムの学習・構築に想定以上の症例数と時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
免疫組織解析におけるAIを用いた深層学習アルゴリズムを完成させ、免疫組織解析の効率を大幅に改善させる予定である。 また、NACRTによる免疫活性化において変動するWntシグナル関連分子を腫瘍組織内で測定し、使用可能なバイオマーカー候補を同定する予定である。
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