研究課題/領域番号 |
21K08810
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
池田 公治 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 医員 (70833862)
|
研究分担者 |
小嶋 基寛 国立研究開発法人国立がん研究センター, 臨床開発センター, ユニット長 (30338470)
山口 雅之 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, ユニット長 (90450577)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 直腸癌 / MRI / 切除標本 / CRM / 画像診断 |
研究開始時の研究の概要 |
局所進行直腸癌の予後改善には局所再発の制御が重要であり、局所再発に最も関連する因子はCRM(circumferential resection margin)である。CRMとは直腸癌の周囲において何mmの余裕をもって癌から切り離して切除できたかを表す指標で、病理学的診断でCRM≧1mmを確保する手術を行うことが、局所再発のリスクを低減する。現状では、病理学的なCRMの診断には約1週間を要し、術中にCRMを知る術はない。本研究では9.4及び3.0T MRIを用いて術直後の切除標本のCRMなどの評価に資する撮影条件を探索し、将来的に術中に切除標本を用いてCRM測定を評価するシステム構築を目指す。
|
研究実績の概要 |
研究名『直腸癌切除標本のMRI画像診断に関する前向き観察研究』のプロトコールを作成、直腸癌手術で摘出された切除標本を9.4T及び3.0TのMRI装置で測定し、切除標本に対するMRIの撮像条件を探索し、その条件において切除標本のMRI画像上のCRM、壁深達度、リンパ節転移、Extramural depth of tumor、Extramural venous invasionと病理学的組織診断結果の一致率ついても明らかにする目的で2021年6月より本研究を開始した。 その後、豚の標本を使用して切除標本を病理組織診断するまでにいかに摘出検体を変形させないかについての予備実験を重ね、2021年10月より症例登録を開始。切除標本の撮影条件の探索においては放射線診断医とともにCANONメディカルシステムのMRI部門の技術者にも協力を依頼、切除標本のMRI撮影条件に最適な条件を確定した。途中9.4TのMRI装置が施設の方針で廃棄することにより使用できなくなったが、3.0TのMRI装置で合計15症例の測定を行った。 結果としては、炎症が強い部分以外は切除標本のMRI画像と病理学的組織結果は一致することが確認できた。今後は、術前MRIにおいてCRM確保可と診断された大腸がん手術症例(100例を目標)を対象に、術中迅速CRM診断の有用性を調査する臨床研究を実施する予定である。 術中にCRMの評価が可能となる術中迅速MRI診断法を開発することで、手術中に確実にCRMを確保できる、あるいは他の局所療法を追加することが可能となり、術後局所再発率の低減がもたらされることで予後の改善が期待できる。
|