研究課題/領域番号 |
21K08812
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
菊池 悠太 旭川医科大学, 医学部, 助教 (80882711)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Diabetes / Pathological condition / PCL graft / Insulin treatment / Endothelialization / 糖尿病 / 小口径人工血管 / ナノファイバー / ポリカプロラクタングラフト / インスリン治療 / 自家血管様変化 / アルギナーゼ阻害 / アルギナーゼ阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
冠動脈バイパス術など小口径血管が必要な心臓外科手術では、自身の血管を使用するのが現在の主流であるが、長さや性状に制限があることが大きな課題となっており、人工血管の開発が重要視されている。 我々は自身の血管様に再生する吸収性の人工血管の作成に取り組んでいる。健常モデルでの良好な成績は得られているが、上記手術が必要な患者は糖尿病などの基礎疾患を合併していることが多い。そのため、糖尿病病態モデル及び糖尿病治療モデルにおける機能評価も行い、実用化に向けてさらに一歩踏み込んだ研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、直径1mmのPVA-PCLグラフトの性能を糖尿病ラットモデルで評価した。その結果、糖尿病が移植された同グラフトの機能を低下させ、インスリンによる糖尿病治療がこの機能低下を回復させることが示唆された。様々な種類のナノファイバーを用いた小口径人工血管が開発され、その性能が健常動物モデルで試験されてきたが、我々の結果は、これらナノファイバーグラフトの性能が病態下で変化しうることを示唆している。 本研究は臨床に応用可能な小口径人工血管の開発には、併存疾患をもつ患者やそれに関連する治療法を考慮し、より臨床症例を反映したモデルでの試験の重要性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
下肢末梢血管や冠動脈のような小口径血管バイパス術において、自家血管が唯一のバイパスグラフトとなるが、患者背景により、その性状や長さに制限があり、長期開存可能な小口径人工血管の開発が期待されている。健常動物モデルにおいて多くの試験が行われ、一部で良好な成績が報告されているが、臨床において多くの患者が糖尿病のような併存疾患を有している。本研究は糖尿病および糖尿病治療が小口径人工血管に及ぼす影響について検討し、臨床応用に向けた、病態下および病態治療下における人工血管試験の重要性を再認識するものである。
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