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新規生体吸収性素材による大動脈解離断端形成法の確立と有効性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K08814
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分55030:心臓血管外科学関連
研究機関東北大学

研究代表者

伊藤 校輝  東北大学, 大学病院, 助教 (10896806)

研究分担者 齋木 佳克  東北大学, 医学系研究科, 教授 (50372298)
藤原 英記  東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (20747117)
片平 晋太郎  東北大学, 大学病院, 講師 (80870138)
細山 勝寛  東北大学, 大学病院, 助教 (70837046)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード大動脈解離 / 断端形成法 / Synthetic hybrid fabric / 生体適合性 / 慢性大動脈解離モデル / 人工血管置換術
研究開始時の研究の概要

大動脈解離は心臓血管外科学分野における致死的病態である。人工血管置換術はその主たる治療法であるが、合併症として吻合部仮性瘤形成や、新たな亀裂形成が挙げられる。これらを予防するために、生体非吸収性素材を使用した断端形成法が普及している。しかし、術後遠隔期の大動脈壁菲薄化やコンプライアンスミスマッチ、異物反応の遷延や溶血性貧血の誘発、感染リスク等が課題とされている。本研究では、新たな生体吸収性素材としてsynthetic hybrid fabric (SHF)に着目し、その優れた強度特性に加えて、生体吸収性、生体適合性、伸張性を生かした安全な断端形成法を確立することで、治療成績の向上を図る。

研究実績の概要

雌ビーグル犬を用いた慢性期大動脈解離モデル作製を完了した。ビーグル犬(約10kg)を、全身麻酔下に左第4肋間開胸とし、下行大動脈を露出する。遮断された大動脈中央に切開を入れ、大動脈断面を確認後に大動脈壁中膜層の中間で、円周方向に約5mmの切開をおき、切開部を起点として剥離子を使用して解離腔を作成することで、内膜は最小限の切開にとどめ、外膜を損傷しない再現性の高いモデル作成が可能となった。術後6ヶ月飼育し生存させるための安定した飼育条件についても確認を終えている。
新たな生体吸収性素材であるSynthetic hybrid fabric (SHF)のカッティングに際し、断端形成の補強素材として適したストリップのサイズ検討とその作成を完了した。10mm幅のストリップによる断端形成の検討を行うことが適当と考えられ、ビーグル犬の大動脈径に対する適合性も確認された。カッティングする技術的検討も終了している。
断端形成部の組織学的評価を行うための染色法その他の基礎的検討を行い、摘出時の血管内外側SHFストリップ表面、周囲大動脈組織に加えて、大動脈内膜及び解離した中膜における組織再生や炎症細胞浸潤等の組織変化の程度を評価することが可能となった。評価項目中の石灰化の半定量化のためのスコアリングシステムを確立しデータを収集中である。組織再生や炎症反応の定量化については、依然確立に至っていない。
SHFを血管壁の内外側に使用した形成血管断端のコンプライアンス測定についての基礎的検討を進めた。吻合部を含む大動脈壁を長軸方向に切り出し、エリアマイクロメーターを用いた血管壁厚の測定と引張試験装置による応力-歪み曲線が得られる最適掃引速度の検討を完了している。張力-歪み曲線への変換し、コンプライアンスの正確な定量化・比較を行うための条件検討については未だ解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

病理組織学的評価における評価項目の選定と、それらを定量的に評価し比較検討するためのスコアリング等のシステム作成、形成血管断端のコンプライアンス測定に関する基礎的検討に時間を要したことが影響している。特に組織再生と炎症反応の評価法の検討については時間を要し、未だ確立できていない現状がある。本学の動物実験施設の改修工事の影響で慢性期の本実験の実施が難しい状況は解消されたが、結果としてモデル作成には時間を要しており、進捗が遅延している要因となっている。

今後の研究の推進方策

必要数の慢性期大動脈解離モデルの作成をさらに進め、確立した医工学的手法を用いた生態工学的評価(コンプライアンス測定)と組織の肉眼的評価および病理組織学的評価(定性及び定量)を行っていく。組織再生・炎症反応の定量化手法の確立と評価、応力-歪み曲線から張力-歪み曲線への変換と定量化のための条件検討を完了する。CT画像をはじめとする画像診断的評価とコンプライアンスミスマッチの判定と生体適合性などの総合的な観点からデータの解析をすすめ、新規断端形成法の有効性を評価する予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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