研究課題/領域番号 |
21K08829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
志水 秀行 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (50226247)
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研究分担者 |
吉武 明弘 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70327550)
川合 雄二郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (70898783)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 大動脈手術 / 虚血性脊髄障害 / 手術合併症 / 心臓血管外科 / 大動脈疾患 / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
虚血性脊髄障害は大動脈手術における深刻な合併症の一つである。本研究では虚血性脊髄損傷に対するHGF投与の有効性の検討を行い、さらに最適化することで臨床応用を目指す。 我々は予備実験により脊髄損傷後に脊髄中HGFが緩徐に上昇すること、特異的受容体であるc-Met mRNAが損傷後速やかに上昇することなどを示してきた。 本研究では脊髄障害モデル動物(ラットおよびブタ)を用いて、実際にHGFを髄腔内投与することにより、HGFの有効性の検討を行う。有効性の検討は投与後の下肢運動機能の評価および脊髄の組織学的評価を持って行う。
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研究成果の概要 |
心臓血管外科手術、その中でも特に大動脈手術において重篤な合併症の一つである虚血性脊髄障害の予防ならびに治療法の開拓を目指した研究である。ラット虚血性脊髄障害モデルを用いてリコンビナント型幹細胞成長因子(HGF)の髄腔内投与実験を行なった。投与群においては虚血性脊髄障害後の対麻痺(下肢運動機能障害)が、コントロール群に対して有意に改善し、下肢運動機能の回復傾向を認めた。また、組織学的評価においても脊髄虚血後の脱髄の抑制やニューロンの壊死の抑制など、我々の仮説を裏付けるデータが得られた。本研究は臨床応用を目指し、更なる詳細な検討と大動物などへの移行を検討している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大動脈手術に伴う合併症の一つである虚血性脊髄障害は、手術方法の進歩や技術革新に伴い、発生頻度は以前より減少傾向にはある。しかしながら以前として一定の確率で起こることが知られており、その頻度は2-10%とも言われる。虚血性脊髄障害の予防並びに治療に対する基礎的研究は、心不全に対するiPS細胞研究などの趨勢に押され、昨今では衰退の一路を辿っており、虚血性脊髄障害治療研究に従来より取り組んできた当研究チームは本邦でも数少ない研究チームの一つである。虚血性脊髄障害は我々心臓血管外科を専門とする者たちが真剣に取り組むべき合併症治療の一つであり、継続していくべき重要課題である。
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