研究課題/領域番号 |
21K08834
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中西 渉 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (50636024)
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研究分担者 |
戸子台 和哲 東北大学, 大学病院, 准教授 (50581641)
菅原 宏文 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (60451572)
赤松 大二朗 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40420012)
齋藤 昌利 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00451584)
星合 哲郎 東北大学, 大学病院, 講師 (10569560)
宮城 重人 東北大学, 大学病院, 准教授 (00420042)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ヒト羊膜 / 感染予防効果 / 人工血管 / 抗感染性人工血管 / 抗菌ペプチド / 抗菌作用 |
研究開始時の研究の概要 |
人工血管感染は術後死亡に直結する重篤な合併症であり、その予防が極めて重要である。大網などの本人の体内組織を用いた人工血管被覆が感染予防法として実施されているが、これらを使用できないことも少なくなく、感染抵抗性の生体材料を用いた抗感染性人工血管を作成できれば血行再建術の成績をさらに安定化することができる。ヒト羊膜はラミニンなど成る組織と1層の羊膜上皮細胞で構成される半透明の膜であり、分娩後胎盤から安価に採取できる。抗炎症作用や多分化能などとともに、抗菌作用を有することが基礎研究で示されている。ヒト羊膜と小動物人工血管置換モデル・腹膜炎モデルを用いて、ヒト羊膜の人工血管感染予防効果を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、ヒト羊膜を用いた抗感染性人工血管の作成を目的として、小動物人工血管置換モデルと腹膜炎モデルを用いてヒト羊膜の人工血管感染予防効果を検証した。局所に感染を起こしつつ、安定した全身状態を維持するモデルの確立を目指したが、感染を起こしつつ良好な全身状態を維持するモデルを安定的に作成することが困難であった。このため、腹腔内で人工血管置換を行う模擬モデルとして、皮下に人工血管を留置し感染させる実験モデルを構築し、本模擬モデルを用いてヒト羊膜の感染防御効果について解析を行った。その結果をまとめて、2024年中に国内外の学術集会で報告するとともに、英文誌に投稿する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト羊膜は安全性が高度に確立された再生医療資源であり、体内で拒絶反応を惹起しないことが示されていることから、腹腔内使用の障壁は非常に低いと考えられる。一方、人工血管はその有用性が広く示され、実臨床において頻用されている医療用資材であるが、人工物であることから感染に弱く、一度感染が成立すると通常の抗菌薬による治療では通常治癒は困難であり、人工血管の摘除が必要となることも多い。ヒト羊膜で覆うことで感染創から人工血管を物理的に保護可能であることが示唆される結果を得ており、実臨床に直結する結果であると考えている。今後、抗菌ペプチドの産生による感染予防効果に関しても詳細を解析する方針である。
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