研究課題/領域番号 |
21K08836
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
角浜 孝行 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (30360986)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 胸部大動脈手術 / 脊髄障害 / 神経特異エノラーゼ / 神経特異的エノラーゼ(NSE) |
研究開始時の研究の概要 |
年間胸部大動脈疾患に対して、開胸手術40例、血管内治療40例、計80例の症例が見込まれることから、初年度から次年度にかけて100例を目標にサンプルの収集を行う。採取した検体は、当院検査部で電気化学発光免疫測定 (ECLIA) 法を用いて神経特異エノラーゼ値を測定する。検体(血清・髄液)による差異を明らかにし、有意性を検討した上で、1)至適検体採取のタイミング、2)カットオフ値の算出、3)感受性・特異性の検討、4)脊髄障害の重症度とNSE値の関連性を画像所見から障害範囲を定量化してNSE値との相関を検討する。
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研究成果の概要 |
神経特異エノラーゼ(NSE)は胸部大動脈手術後の脊髄障害早期発見の予測因子としての有用性の検討が本研究の目的である。計46例の胸部大動脈ステントグラフト内挿術施行患者の検体を採取して解析を行った。脊髄虚血を発症しなかった群の血清NSE値(ngの推移は、術翌日に最高値をとり、その後低下して術前値まで低下する傾向が見られたが、有意差はみられなかった。一方、脊髄障害の有無によるNSEピーク値は、脊髄障害なし18.0±7.8ng/mlに対して脊髄障害ありでは、34.2±15.4mg/mlと有意に高い値を示した。このことからNSE値は胸部大動脈手術後脊髄障害の予測因子となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来より低侵襲な血管内治療(ステントグラフト内挿術)やオープンステントグラフトを用いた弓部置換術の広まりによって胸部大動脈手術死亡率は改善したが、これらの手術特有の合併症である脊髄障害が問題となってきた。これまでに脊髄障害発生機序・予防に関する多くの研究がなされているが、いまだ確実な方法は存在せず、NSE値の脊髄障害に対する有用性を検証した報告はない。本研究によって胸部大血管手術後の脊髄障害の予測因子としてのNSE値の有用性を示すことができたことで今後早期発見・治療への発展が期待できる。
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