研究課題/領域番号 |
21K08841
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
新美 清章 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (50467312)
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研究分担者 |
古森 公浩 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40225587)
坂野 比呂志 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (80584721)
児玉 章朗 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (10528748)
川井 陽平 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (80802347)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腹部大動脈瘤 / 破裂 / 循環器工学 / 血流改変 / マトリックスメタロプロテアーゼ / 大動脈瘤 / 分子病態 / 血行力学変化 / 末梢動脈疾患 / リモデリング |
研究開始時の研究の概要 |
腹部大動脈瘤は下肢の動脈瘤も含め、動脈の分岐点で乱流の生じやすい部位に好発し、腹部大動脈瘤は多くは大動脈分岐上、総腸骨動脈瘤や総大腿動脈瘤も同様に分岐直上にできる。一方、直線状になっている外腸骨動脈や浅大腿動脈の瘤化はほとんどない。本研究の目的は、大動脈瘤抑制のための血流改変モデルを作製解析することで腹部大動脈瘤形成および進展のメカニズムを明らかにし、その上で新たな血管病の治療戦略を呈示することにある。
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研究実績の概要 |
本年度野生型ウサギを使ったモデルを検討したものの、科内の人事異動で人が減ったことにより、外部委託を検討したが、予算内では動物実験が困難であることが判明。その中で血流と圧の関係を検討した論文Sugita et al , Evaluation of rupture properties of thoracic aortic aneurysms in a pressure-imposed test for rupture risk estimation, Cardiovascular Engineering and Technology 3(1), 41-51, 2012があり、動脈瘤と壁構造の関連について著者が当施設と近くである名古屋工業大学の准教授であったため、研究協力の提案を行い合意した。その後の予備的な結果から、令和4年度においてX線CTにて胸部瘤壁試料の観察をし、ブタ正常大動脈との比較から、胸部大動脈瘤壁はブタ正常壁と比べ、空隙率が有意に高いことを示せた。また2軸引張負荷で血管壁亀裂開始領域の特徴としてブタ胸大動脈ではコラーゲン繊維量がより低い箇所から破裂していることが示せたが、ヒトではまだわかっていない。また壁空隙率についてもブタよりヒトで多いことはわかったが、単純に組織崩壊した部分が多いから破壊しやすいのか、組織空隙率と力学的特性に関連があるのかについてはわかっていない。そこで私たちは血管壁内の空隙の体積が大きいほど脆弱化している血管壁であるとの仮説をたて、この仮説を検証することをR5度の目的とする。この研究について当院倫理委員会に共同研究として「血管壁内の空隙と力学的性質の関係」として申請し、承認を得たため、当院腹部大動脈瘤壁を試料として研究を開始する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度研究分担者の異動や科長交代により、本来動物実験の飼育管理する人員が不足したこと、コロナ下や物価高の影響で実験動物高騰により、委託事業者との折衝で困難であることが判明、動物実験はR5年度に実施する。
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今後の研究の推進方策 |
大動脈瘤手術の際に採取する余った瘤壁を試料として使う。瘤壁の空隙率と、術前CTで得られる画像のCT値から相関を導き出し、実際の瘤壁を2軸引張負荷による亀裂開始領域との関連がないか検討する。また、実際の瘤拡大率と空隙率との関連についても調べ、どのような症例に、より破裂リスクが高いかについて術前画像から予測できるか調べる。目標症例数を50例とする。採取した試料を名古屋工業大学に提供、名古屋工業大学の教室にて血管壁内空隙体積や引張強さを測定。空隙については試料を処理したのち、CTをとって観察する。本学ではCTから得られる画像をもとに、血管壁内空隙体積については実際測定が難しいため、正常な壁と瘤壁のCT値の比較から相対的に評価する。試料から得られた空隙とCTでの空隙の相関があるか調べる。それをもとに瘤拡大率と関連あるか予測する。
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