研究課題/領域番号 |
21K08845
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2023) 山口大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
柳原 正志 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (40379954)
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研究分担者 |
濱野 公一 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60263787)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 細胞シート / 難治性皮膚潰瘍 / 他家細胞移植治療 / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
難治性皮膚潰瘍に対する細胞シート移植治療の実用化には安価かつ機能的にも優れた安定供給可能な他家細胞シートが必要である。本研究では、これまで開発してきた自家細胞の細胞混合シートの作用機序に着目し、用いる線維芽細胞を他家細胞に置き換え、末梢血単核球の代替となる活性化因子を補充して機能強化した積層細胞シートを開発する。開発した積層細胞シートの有用性は、糖尿病皮膚潰瘍モデルマウスに他家細胞シート移植治療実験を行い、その治療効果を検証する。
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研究成果の概要 |
難治性皮膚潰瘍に対する治療法として、機能強化した他家積層線維芽細胞シートを開発した。細胞シート作製時に成長因子を添加し、従来の積層細胞シートに比べ、VEGFやHGFの産生量が高く、生細胞数が増加し、厚みが増したシートとなった。マウス皮膚潰瘍モデルでの治療効果の検討では、創傷治癒早期において機能強化した他家積層細胞シート貼付群は無治療群に比べ、有意に高い創閉鎖率を示した。治癒直後の瘢痕組織中にCD3陽性のリンパ球の集積を認めたものの、強い拒絶反応は示さず、創傷治癒の効果に影響を与えなかった。本研究より、機能強化した他家積層細胞シートは難治性皮膚潰瘍に対する有用な治療法となる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自家細胞を用いた細胞シート移植治療は理想的な治療法ではあるが、患者自身の線維芽細胞の機能低下のため細胞シートを作製できない症例が存在する。そのため、本治療法の実用化には、コストを抑え、高品質かつ安定供給可能な同種・他家細胞シートが必要である。機能強化した他家積層線維芽細胞シートは、従来の積層細胞シートに比べ、シートの厚みが増し、創傷治癒に必要な成長因子の分泌能が向上した。マウスでの治療実験から機能強化した他家積層線維芽細胞シートは創傷治癒過程を促進し、治療効果を有することが示された。
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