研究課題/領域番号 |
21K08853
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
田中 駿 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 客員研究員 (50893880)
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研究分担者 |
西中 知博 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (00256570)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 補助人工心臓 / 重症心不全 / 遠心ポンプ / 駆動制御 / 心不全 / LVAD / reverse remodeling / 自己心拍同期回転数制御システム |
研究開始時の研究の概要 |
心臓移植はドナー提供に制限がある治療であり、本邦では移植待機時間が長く、移植待機中の死亡例も少なくない。このような状況下で、LVAD離脱の割合を増やす事は喫緊の課題であるが、現行のLVAD治療ではLVADを離脱できるまで心機能が回復する症例は極めて限定的である。本研究は、「自己心拍と同期し回転数を制御する新たなLVAD駆動方法が、従来の駆動方法より、reverse remodelingを促進させる効果を持ち、心機能回復によるLVAD離脱を目指す上で有効な駆動方法である。」という仮説を慢性心不全モデルヒツジを用いて検証し、本システムの臨床応用を目指すものである。
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研究実績の概要 |
Reverse remodelingを促進させる新たな左室補助人工心臓駆動方法の開発のための基礎検討として大型動物心不全モデル作製(ヒツジ)を行っている。冠動脈流量によってマイクロスフィア投与量を調整する手法を用いた大型動物急性心不全モデル作製法を確立し、さらに、慢性心不全モデルの作製について検討を進めている。また、左室補助人工心臓血液ポンプ駆動制御方法の研究を行っている。自己心拍と同期して連続流式血液ポンプ回転数を制御するためには、心電図を安定してトリガーするセンサーが必要であり、臨床応用する上で大きな問題となる。この問題点を解決する有効な左室補助人工心臓血液ポンプ駆動制御方法として、心電図トリガーを必要としない自己心拍と非同期に連続流式血液ポンプ回転数を制御する新規左室補助人工心臓血液ポンプ制御システムの研究を行っている。作製したマイクロスフィアを用いた大型動物急性心不全モデルに対して、遠心ポンプ型左室補助人工心臓を装着し、定常回転による補助循環を対照群として、自己心拍非同期回転数制御による新規左室補助人工心臓血液ポンプ制御システムを用いた補助循環が、血行動態、心機能を含む生体に与える影響などについて検討を行った。自己心拍非同期回転数制御は、血流拍動性を上昇させるとともに、一定時間駆動後の自己心機能などに影響を与える可能性が示されており、解析・検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大型動物心不全モデルについて、急性動物実験レベルについて確立でき、慢性動物実験レベルの検討に取り組んでいる。左室補助人工心臓血液ポンプ駆動方法の研究については、心電図トリガーを必要としない自己心拍と非同期に連続流式血液ポンプ回転数を制御する新規左室補助人工心臓血液ポンプ制御システムを用いた急性動物実験による検討を実施しており、血行動態、心機能を含む生体に与える影響、有効性、安全性、課題とその対策などについて解析・検討を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
マイクロスフィアによる冠動脈微小塞栓を用いた大型動物慢性心不全モデルの作製に関する研究を行う。心電図トリガーを必要としない自己心拍と非同期に血液ポンプ回転数を制御する新規左室補助人工心臓血液ポンプ制御システムの、心機能を含む生体に与える影響、有効性、安全性、課題とその対策などについての研究に関しては、急性期に生体に与える影響などについて解析・検討を進めるとともに慢性心不全動物モデルを用いた研究を推進する。
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