研究課題/領域番号 |
21K08856
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
前田 恵 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (00646151)
|
研究分担者 |
鈴木 智之 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (10837157)
齋木 佳克 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50372298)
佐々木 康之輔 東北大学, 医学系研究科, 助教 (50755642)
秋山 正年 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (80526450)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | PAI-1阻害薬 / 癒着実験 / 薬剤徐放 / 心臓血管外科 / 癒着 / PAI-1阻害 / 縦隔内癒着防止 / PAI-1阻害化合物 / 薬剤徐放性 |
研究開始時の研究の概要 |
心臓血管外科分野において再開胸手術症例は近年増加傾向にある。再開胸手術は、縦隔内の癒着による大血管損傷のリスクや癒着剥離による手術時間の延長、人工心肺複雑化を伴い、初回手術と比しその死亡率は高い。我々はこれまでplasminogen activator inhibitor 1 (PAI-1)阻害化合物が組織間癒着防止効果を示す新規薬剤になりうるとして開発を進めてきた。本研究は、PAI-1 阻害化合物を持続的に徐放可能な生体吸収性シートを作製し、組織適合性癒着防止基材・代用自己心膜補填基材を開発することを目的とする。
|
研究実績の概要 |
本研究の実験動物であるウサギのTM5614の薬物動態検査として、30㎎/kg経口投与群、100mg/kg経口投与群、300㎎/kg経口投与群にて血中濃度測定を行い、300㎎/kg経口投与群において有意な血中濃度が検出された。一方、300㎎/kg経口投与群において、4週間後の心嚢内におけるTM5614は検出されず、経口投与における心嚢内への薬物分布は確認できなかった。しかしながら心嚢内の癒着は認めらなかったため、TM5614による縦隔内癒着予防効果はあると期待できる。現在、心嚢内癒着動物において、コントロール群を含め、投与日数をいくつか設定し、心嚢内癒着度評価の最終段階に入っている。 また、PAI-1阻害薬徐放生体吸収性シートの作製のための基礎実験に着手した。これまでの動物実験結果より、胸骨裏面前縦隔における癒着予防に必要な薬物濃度と作用時間の条件が、心嚢内癒着予防に必要な条件と異なることが判明したため、指向性があり、かつ、多層性シート構造からなる徐放シートを作製する方針となった。そのため本学創生応用医学研究センター細胞治療開発学分野からの協力を得て、作製を進めている。まず、中央にguard layerを形成し、その上下にdrug layerを配置し、さらにその上下にcontrolled-release layerを配置する5層化構造とした。現在基材の選定、配合割合を決定すべくIn vitro実験を進めているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来であれば、薬剤徐放系は完成し動物実験に応用を始めている段階であるが、動物実験棟の改修工事やCovid pandemicによる動物飼育数の制限などにより、基本的な薬剤の動物実験評価が遅れている状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
薬剤徐放シートを完成させるべく、In vitro実験を進めていく予定である。シート完成後、できる限り早くIn vivo実験へ移行する。
|