研究課題/領域番号 |
21K08861
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2022-2023) 京都大学 (2021) |
研究代表者 |
村田 梢 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (80884329)
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研究分担者 |
田中 陽 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (40532271)
升本 英利 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (70645754)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | iPS細胞 / 心臓 / オルガノイド / 組織 / 心毒性 / HMD / Organ-on-a-chip / 創薬研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、iPS細胞由来人工心臓組織の脈動を拍動機能に変換するための高感度システムとして最近我々が開発したハートオンチップ型バイオマイクロデバイス(HMD)の安定性を高め、より精度と感度の高い新規医薬品の心毒性評価方法を確立することを目的とする。本研究成果により、上市前にヒト心臓に対する心毒性を示す医薬品を検出することで、新規医薬品の開発費用抑制・上市後撤退リスクおよび副作用発生リスク軽減などが期待される。iPS細胞由来人工心臓組織の成熟化による臨床への外挿性向上、デバイス改良による測定安定性の向上、HMDによる心毒性検出の実証によりヒト心臓に対するHMDによる心毒性の評価方法を確立させる。
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研究成果の概要 |
本研究はヒト心臓の生理機能を評価できる高感度評価系の開発を目的とした。ヒトiPS細胞を心血管系細胞に分化させ作成した血管化マイクロ心臓組織を使用し、心機能評価に特化したハートオンチップマイクロデバイス(HMD)を開発した。さらに、幹細胞デバイス研究所(SCAD)との共同研究により、スループットと安定性を向上させたSCAD-HMDを開発した。SCAD-HMDは代表的な循環作動薬に対する薬理学的反応を示すだけでなく、抗がん剤トラスツズマブがドキソルビシンと併用されると心筋機能障害を引き起こすという臨床事象を再現することができた。すなわち、ヒト心臓に対する薬物毒性を安定的に評価できることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発したSCAD-HMDは高感度にヒト心臓に対する心毒性を評価することができる。本研究によって従来型よりもより安定した操作性を獲得しただけでなく、ヒト心臓組織への長期的な影響を検証できるようになった。これは継続的な薬剤投与によって初めて顕在化する心毒性を検出できることを意味し、創薬研究において有用な研究ツールとなることが期待される。将来的にはSCAD-HMDを個々の患者由来iPS細胞から作製し、特定の薬剤への反応を評価することにより、患者への投与に先立って心毒性の有無を判定することができ、抗がん剤などの投与に伴う心臓関連合併症を回避することが可能になると考えられる。
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