研究課題/領域番号 |
21K08862
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小田 紀子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい准教授 (90373092)
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研究分担者 |
伊東 絵望子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (80595629)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 細胞移植 / 免疫制御 / iPS細胞由来間葉系幹細胞 / iPS細胞由来心筋細胞 / 他家移植 / 免疫抑制 / 免疫系ヒト化マウス / iPS細胞 / 間葉系幹細胞 / 分化誘導 / 免疫応答 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らの研究グループは、虚血性心疾患に対するiPS心筋細胞シートを用いた臨床研究を開始しているが、同種細胞を用いているため移植片による免疫拒絶反応を抑制する必要がある。本研究では、iPS細胞から分化誘導した間葉系幹細胞をiPS心筋細胞と同時移植することにより、免疫抑制剤を用いずに免疫反応を抑制し、移植片の長期生着を図り、より持続的で有効性の高い心筋機能回復を目指す治療法を開発することを目的とする。本研究の結果は、心臓のみならず、同種移植において免疫抑制剤を用いない新規細胞移植療法の臨床応用へ繋がり、免疫抑制剤の長期服用による患者のQOLの低下を阻止できる可能性があると考える。
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研究成果の概要 |
重症心不全における他家由来細胞移植治療では、免疫抑制剤の投与による腎不全や悪性腫瘍などの副作用が問題となる。本課題では、免疫寛容を誘導することが報告されている間葉系幹細胞(hiPS-MSC)と、ヒトiPS細胞由来心筋細胞(hiPS-CMs)を共移植することで、免疫抑制剤を用いず、移植細胞の長期生着を可能とする移植法を開発することを目的とした。まずhiPS-MSCの分化誘導法を確立し、in vitroでの免疫抑制作用を確認した。さらにin vivoにおいて、皮下に移植したhiPS-CMsの生着延長が示され、共移植による免疫制御の可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
重症心不全治療においては、iPS細胞由来心筋細胞の移植治療が新たな選択肢として期待され、代表者らが所属する研究グループで、医師主導治験が実施された。しかし他家細胞移植であるため、免疫抑制剤投与が必要であり、腎不全や悪性腫瘍などの副作用を起こす可能性があり、免疫抑制剤を用いない移植法の開発が望まれている。hiPS-MSCとの共移植により、移植されたhiPS-CMsの生着延長が認められたことから、免疫制御が可能となることが示され、免疫抑制剤の副作用に対する安全性の向上が期待される。また免疫抑制剤使用に適さない患者に対して、他家iPS心筋細胞移植治療の適応拡大の可能性も示された。
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