研究課題/領域番号 |
21K08865
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
堀尾 直裕 昭和大学, 医学部, 助教 (90839002)
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研究分担者 |
大澤 晋 岡山大学, 大学病院, 講師 (20643414)
藤井 泰宏 岡山大学, 大学病院, 客員研究員 (40534673)
中谷 達行 岡山理科大学, フロンティア理工学研究所, 教授 (50520920)
笹井 泰志 岐阜医療科学大学, 薬学部, 教授 (60336633)
逢坂 大樹 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70839141)
美間 健彦 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (80596437)
笠原 真悟 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (90233692)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | Diamond-like carbon / 超親水性コーティング / アミノ基 / 人工血管 / ePTFE / アンモニウム基 / カルボキシル基 / コーティング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アミノ基付加DLC(A-DLC)、カルボキシル基及びアミノ基付加DLC(CA-DLC)の成膜技術を確立すると共に、従来のDLC 、カルボキシル基付加DLC(C-DLC)、アミノ基付加DLC(A-DLC)、カルボキシル基及びアミノ基付加DLC(CA-DLC)をePTFE人工血管の内腔に施し、それらの性能の違いを、血液適合性、血管組織適合性の観点から確認を行う。
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研究実績の概要 |
昨年度に作成した、アミノ基付きDiamond-like carbonを用いて、各種実験を施行した。アミノ基付DLCはかなり親水性が向上することが明らかになったが、親水性が最大となるアミノ基付加方法を開発し、現在論文作成中である。これまでの結果では、アミノ基付加により、想像以上に親水性が高くなっており、超親水性といえるレベルのDLCが作成されている。SEM観察で、アミノ基付加DLCでも通常のDLC同様平滑性が増していることが確認できている。また、アミノ基付加時にアンモニアプラズマを用いるが、それによる表面改変が当初問題となった。しかし、条件の調整後は表面は改変されていないことが確認できている。原子力顕微鏡での平滑性向上の証明、定量化も計画にいれていたが、ePTFEは多孔性で正確な測定ができないため、平滑性の確認はSEMでの観察にとどめることとした。ブタの頸動脈置換術、頸静脈置換術を施行し、3時間全血にIn-Vivo接触させ、DLCコーティングePTFE(通常のDLC)とコーティングのないePTFEを比較したが、共に血栓付着は殆どなかった。しかし、DLCはフィブリノーゲン付着がやや上昇していた。現在のところ、アミノ基付加DLCはアルブミン吸着減少、フィブリノーゲン吸着増加傾向を認めており、血液適合性の向上はアミノ基付加だけでは期待できないと考えている。アミノ基付加DLCが最も親水性となるよう最適化を行ったため、DLCの血液適合試験、細菌付着試験を行う予定としている。現在のところ、アンモニウム基付加人工血管は、表面の極性がニュートラルから外れるため、血栓付着が増える傾向にある予想している。親水性の向上がどのような影響をもたらすか?検討する。超親水性DLCとして特許申請も予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
アミノ基付加方法の最適化に時間を要し、研究が遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度、血液適合性試験と抗感染性試験を行う予定としている。ブタ頸動脈への植え込み試験は6週間生存を計画していたが、ブタやヤギなどの人工血管置換術は吻合部狭窄が問題になりなかなか効率が悪いことが最近の我々の研究で明らかとなっている。人工血管開発の歴史は長いが、よくよく検索してみるとブタ等の大動物で6~8週間以上の生存で安定した開存率を残す研究がほとんどない。おそらく吻合部狭窄の問題で良質な研究ができないものと思われる。そこでわれわれはIn-Vivoでの短期的な血液適合性の確認実験をブタ頸動脈・頸静脈置換でまず血液適合性のスクリーニングを1~3例ずつ行い、そこで良好な成績のものを用いて製品化を目指した長期生存試験に移りたいと考えている。
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