研究課題/領域番号 |
21K08866
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小松 弘明 岡山大学, 大学病院, 助教 (40894952)
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研究分担者 |
貝原 恵子 岡山大学, 医学部, 技術専門職員 (60638641)
入部 玄太郎 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90284885)
小谷 恭弘 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (90534678)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ヒト単離心筋細胞 / FrankーStarlingの法則 / カーボンファイバー |
研究開始時の研究の概要 |
心臓手術を受ける患者の術中検体(切除心筋)を同意のものと提供いただき、速やかに研究室へ移動。細胞単離操作を行い、その単離した細胞を用いてForce-Length Relationを計測する。計測結果に基づき心筋細胞機能について解析する。 2021年度にまずヒト心筋細胞単離を確立し、2022年度には単離したヒト心筋細胞においてForce-Length Relationを計測・評価し、負荷非依存性の心機能を評価する。2023年度にはチアノーゼ心筋や圧・容量負荷心筋について、Force-Length Relation法によりそれぞれの心機能の差を評価する。
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研究実績の概要 |
臨床医学においては様々な方法で心機能評価がされていますが、心臓のパフォーマンスを決定する心筋の収縮性や拡張能を直接測定する方法はありません。我々は単離したマウス心筋細胞の両端をカーボンファイバー(C F)で保持・伸展したときの長さ張力関係から心筋細胞レベルの最大弾性率を測定することによってin vitroで負荷非依存性の心機能評価を可能としました。 そこで、心臓血管外科で多く携わる先天性心疾患患者における余剰心筋にこの技術を応用し、細胞レベルで収縮力を解析する研究を行なっています。研究に用いたヒト心筋は、2022年1月から現在まで岡山大学心臓血管外科で開心術を受けた患者10名の右室余剰心筋組織片を用いました。細かく切ったヒト心筋組織片に数回に分け酵素プロテナーゼとコラゲナーゼに加え、酸素を投与しながら37℃にてスターラーで優しく攪拌しながら反応させヒト由来の心筋細胞の単離を行いました。 この細胞の長さと張力関係を測定しグラフにプロットしたところ、単離心筋細胞の伸展に伴い、収縮量の増加、つまりフランク・スターリングの心臓法則が観察できます。収縮期末の長さ張力関係(end-systolic force-length relation: ESFLR)を直線でフィットしたときの傾きが最大弾性率に相当します。また、拡張期末の長さ張力関係(end-diastolic force-length relation: EDFLR)を直線でフィットしたときの傾きは拡張期の細胞の弾性率、つまり固さであり、拡張能の指標となります。引き続き実験を積み重ね、ヒト単離心筋細胞の負荷非依存性の心機能評価を確立したいと考えています。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験にはヒト心筋組織が必要です。さらにそのヒト心筋組織は少量ではできません。手術があるかないか、患者が同意するかどうか、自分の予定があうかどうか、余剰組織が十分あるかどうかなど様々な良い状況が重ならなければ実験データを得られません。そのため、予定よりもやや遅れいていると考えています。
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今後の研究の推進方策 |
力学実験に耐えうるヒト心筋細胞の単離を確立できましたので、引き続きデータの蓄積を通して、単離した心筋細胞の収縮力と実際の心機能の比較、疾患と得られた収縮力との比較を行っていきたいと考えています。
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