研究課題/領域番号 |
21K08879
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐藤 幸夫 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10312844)
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研究分担者 |
小林 尚寛 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10746564)
田口 哲志 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (70354264)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 外科用接着剤 / ゼラチン |
研究開始時の研究の概要 |
1.混合噴霧デバイスの作製 共同研究を行っているニプロ株式会社と協力し、2成分混合システムを設計・作成し、外科用シーラントの機能を十分に発揮するシステムを開発する。予備実験では接着剤が最適な状態で混合した際には80cmH2O以上の耐圧強度が確認できている。 2.動物実験による耐圧力・組織適合性評価 1)全身麻酔下豚モデルを用いた急性期耐圧試験により、フィブリンシーラントと疎水化タラゼラチンシーラントとの接着力・組織追従性を評価。 2)ラット慢性実験により、慢性期の組織適合性・炎症反応・癒着等の組織反応・肝腎機能等への影響を評価する。
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研究実績の概要 |
【背景】呼吸器外科手術において気漏は頻度の高い合併症である。本邦ではFibrin glue(FG)が汎用されているがその接着力は不十分である。新規組織接着剤(Gelatin sealant: GS)は冷水魚スケソウダラのゼラチンを疎水化し接着力を高め、ポリエチレングリコールを架橋剤する。ブタ摘出肺・生体ブタ,ラットで、GSとFGの接着力, 所見を比較した。【方法】①摘出肺実験、耐圧実験:ブタ摘出肺に胸膜欠損を作成し各シーラント噴霧、換気し気漏出現時の気道内圧を測定した。追従性実験:ブタ摘出肺の胸膜表面に各シーラントを噴霧し、肺を拡張させシーラントが胸膜に追従できる最大面積を測定。②急性実験:ブタを全身麻酔下に挿管し、肺に10mmの胸膜欠損を作成。各シーラント噴霧。人工呼吸器にて換気を行い、気漏出現時の気道内圧を測定した。③慢性実験:ラットを全身麻酔下に挿管し、肺に5mmの胸膜欠損を作成。各シーラントを噴霧し閉胸した。一定期間後に気胸有無・血算生化学所見・組織所見を評価した。【結果】①摘出肺の耐圧性評価ではGS群 102.9±15.6 cmH2O, FG群 28.37±5.1 cmH2O(P<0.01)。追従面積はGS群1893(2.1倍)±292 mm2およびFG群 1302(1.4倍)±213 mm2(p=0.016)。②急性実験ではGS群 68.8±18.0 cmH2O, FG 群 43.3±7.1 cmH2Op=0.021)。③慢性実験では両群で気漏再発はなく有害事象を認めなかった。GSは8週、FSは2週で吸収されており、初期の炎症所見がFSに対良い傾向があった。【結語】新規組織接着剤(GS)は高い接着性と追従性を有し、約8週で吸収され慢性的にも有害事象なく、気漏閉鎖への臨床応用が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
慢性実験を予定通り遂行し、長期の接着性と安全性を評価し、下記論文を公表した。
Alaska pollock gelatin sealant shows long-term efficacy and safety in a pulmonary air leakage rat model. Yanagihara T, Maki N, Kawamura T, Kobayashi N, Kikuchi S, Goto Y, Ichimura H, Watanabe S, Taguchi T, Sato Y European Journal of Cardio-Thoracic Surgery. 62(5), 2022 10 04.
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今後の研究の推進方策 |
噴霧デバイスを改良し、その性能を非臨床試験で確認し、臨床治験に繋げる。
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