研究課題/領域番号 |
21K08885
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
坂本 晋一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任助教 (30740675)
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研究分担者 |
鳥羽 博明 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (40403745)
河北 直也 徳島大学, 病院, 講師 (60522266)
高嶋 美佳 徳島大学, 病院, 特任助教 (70596254)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | iPS細胞 / 気管支断端瘻 / 間葉系幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
外科医として,合併症の減少は至上命題である.細胞・組織修復に重要な役割を果たすとされる間葉系幹細胞(MSC)研究を臨床に直結すべく課題として取り組むこととした.まず1) 気管支吻合部におけるMSCの動員,関与を検証する.2) MSCを気管支吻合モデルに局所,MSCシートにより投与し,投与形態による治癒促進の程度を耐圧性,組織学的評価により検討する.3)最適な投与形態を用いて,ヒトiPS細胞由来MSCを気管支吻合部に投与し,修復に寄与するか検討する.以上よりMSCが気管支修復を促進し,ヒトにおける外科的問題を解決すべくセルソースとなりうることを示し,臨床応用へのステップとすることを目的とする.
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研究実績の概要 |
気管支修復過程において間葉系幹細胞の役割を観察するため気管吻合モデル(8-0ナイロンで全周吻合し皮下に埋没する(完全吻合モデル)、気管を1針だけ吻合し右胸部皮下に埋没する(不完全吻合モデル))・脱細胞化モデルで間葉系幹細胞が創傷治癒に寄与するかどうかの観察を行った。免疫染色で組織中に予想された細胞(間葉系幹細胞、炎症細胞)を確認することができなかったため、positive Marker(STRO-1,CD13等)を用いて解析を進めた結果、間葉系幹細胞の遊走は確認することができ、間葉系幹細胞は気管支修復治癒を促進するセルソースである可能性が示唆された。 続いて、マウス由来の骨髄由来間葉系幹細胞を気管吻合モデルに投与し創傷治癒効果の検証を行っている。当初、気管埋没時に骨髄由来間葉系幹細胞をDMEMで懸濁し1×106で吻合部に局所注入した群(間葉系幹細胞群)、骨髄由来間葉系幹細胞から作成したシートを吻合部に巻き付けた群(シート群)、吻合部にDMEMのみを注入した群(コントロール群)の3群で解析を行う予定で、骨髄由来間葉系幹細胞シートの作成はM.Nakao等(Stem Cell Res Ther 2019 Vol.10)の報告をもとに作成を試みているが、シートの作成に難渋している。他、シートの形成法としてS.Yoshimine等(Semin Thorac Cardiovasc Surg.2022 Spring;34(1):349-358.)もシート作成の報告を行っており、我々の研究の趣旨に合ったシート形成法を吟味している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
モデルマウスの作成とその評価に時間を要し、それに加えて骨髄由来間葉系幹細胞を用いたシートの作成に時間を要している。現在の取り組みとして細胞シートをいくつか重ね合わせることで、ひとつの厚い組織を作成する手法が取られており、試作中である。以上のことから、遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
骨髄由来間葉系幹細胞を用いたシートの作成に難渋している。S.Yoshimine等(Semin Thorac Cardiovasc Surg.2022 Spring;34(1):349-358.)は細胞シートを4-5層重ねて使用している。また、Y.Haraguchi等(Nat. Protoc.2012 7,850)は温度応答性培養皿から作成したシートを重ね3D組織を作成しており、これらの作成法が我々の研究の趣旨に合うのかを吟味している。
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