研究課題/領域番号 |
21K08891
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
羽藤 泰 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (10365281)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | がん微小環境 / 腫瘍血管内皮細胞 / 肺癌 / がん免疫 / VEGF / VEGFR2 / 免疫療法 / がん / 微小環境 / 血管内皮細胞 / がん免疫セットポイント / 血管新生 / 腫瘍免疫 / 免疫セットポイント / 手術 |
研究開始時の研究の概要 |
がんの根治切除を行った後であっても、増大した腫瘍がもたらしていた免疫抑制状態は容易には打破されない。抗腫瘍免疫は腫瘍側因子、宿主側因子、環境因子が複合的にかかわる閾値“immune set point”で決定づけられるが、がん微小環境はこの点に強く影響を与える。申請者らは先行研究を通じて、腫瘍内に見られる病的血管内皮細胞がVEGF/VEGFR2経路を介して腫瘍免疫抑制機能を持つことに気づいた。本研究では、腫瘍血管内皮細胞に過剰に発現したVEGFR2の活性化が、腫瘍細胞とのクロストークを通じてimmune set pointを引き上げ、免疫逃避を起こす制御スイッチとしての機能することを証明する。
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研究成果の概要 |
がん組織に病的血管新生で誘導される血管内皮細胞は、がん細胞による直接的・間接的な作用によって抗腫瘍免疫抑制的に働くようにハイジャックされている可能性を考え、in vivoおよび臨床病理学的側面からその関与を明らかとすることを試みた。動物実験で、マウスの腫瘍皮下移植モデルを用いて作製した腫瘍を摘出し、単一細胞懸濁液に分離したのちにCD31陽性細胞のみを磁気ビーズ法で間引いたものと間引かないものを用意して、別個体に再移植するモデルで腫瘍増殖の比較を検討した。またヒトの肺癌切除検体を用いて、血管構築と微小環境構築の関連、生存に関する比較検討を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんの免疫療法を高める方法として、腫瘍血管機能を正常化する抗血管新生療法との併用療法が提案されている。実際に、肝細胞癌では免疫チェックポイント療法と抗VEGF/VEGFR2抗体の併用療法は有用な治療方法である。そのメカニズムとして、血管構築が正常化した結果、がん微小環境の改善がえられて免疫応答が改善する可能性が示唆されている。本研究では、治療介入のない腫瘍の血管内皮細胞は一見正常であっても機能的には免疫応答を維持する機能は欠けている可能性を示唆している。抗VEGF/VEGFR2抗体による免疫応答改善は、微小環境改変よりも直接的な免疫応答改善機能の影響が強いと推察される。
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