研究課題/領域番号 |
21K08893
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
湯川 拓郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80388975)
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研究分担者 |
猶本 良夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00237190)
深澤 拓也 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (20379845)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 肺癌 / 分子標的療法 / BRAF / 腺癌 / 分子標的 / 肺腺癌 / BRAF V600E |
研究開始時の研究の概要 |
BRAF V600Eは、肺癌の主要なドライバー変異の一つであり、陽性患者に対してBRAF阻害剤とMEK阻害剤の併用療法が承認されている。一方、世界では多くの患者がV600E以外のBRAF変異: non-V600E を持つ肺癌で死亡しており、新規治療法開発が望まれる。近年の分子生物学的検討からnon-V600Eの中にも、キナーゼ活性を持つものがあることが分かってきた。 本研究において、BRAF non-V600E陽性肺癌に対する有効な抗腫瘍効果誘導法をin vitroで明らかにし、さらに肺癌Xenograftモデルマウスおよび患者由来肺癌オルガノイドを用いた検証を行うことで新規治療法開発のための基礎検討を行う。
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研究成果の概要 |
BRAFは、EGFR、ALK、ROS1fusion、RET fusionなどと同様に肺癌の重要なドライバー遺伝子である。最も多いBRAF変異はV600E(41%)であるが、K601E、D594G、G469Aなど他のnon-V600E変異も多く検出されている。non-V600E変異は、さらに野生型BRAFと二量体を形成し、下流シグナルを活性化できる活性中間型、そして野生型CRAFと二量体を形成し、弱い活性を誘導する不活化型に大別される。本研究成果から、BRAF阻害剤とMEK阻害剤、またEGFR阻害剤との併用は上記non-V600E変異を持つ肺腺癌に高腫瘍効果を誘導できる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
バイオマーカーに基づいた患者選択いわゆるPrecision Medicine が現実化し、EGFR変異、ALK転座、ROS1転座およびBRAF変異に対する分子標的薬は、肺癌患者の予後を着実に延長している。BRAF変異は多種の癌に認められるが、有効な治療法開発はこれまでV600E変異を中心に進められてきた。これまでの研究成果から、肺癌は他の癌に比べnon-V600E変異が多く認められることが示されている。本研究は、活性中間型、そして不活型non-V600E変異を持つ肺癌に対する新規治療法開発の糸口を提示しており、その学術的意義は大きい。
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