研究課題/領域番号 |
21K08894
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
|
研究機関 | 地方独立行政法人山梨県立病院機構山梨県立中央病院(がんセンター局ゲノム解析センター) |
研究代表者 |
後藤 太一郎 地方独立行政法人山梨県立病院機構山梨県立中央病院(がんセンター局ゲノム解析センター), ゲノム解析センター, 研究員 (80317148)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 肺癌 / 肺転移 / 遺伝子変異 / 次世代シーケンサー / 進化系統樹 / 血中遊離DNA / 遊離DNA / クローナリティ |
研究開始時の研究の概要 |
他臓器癌(大腸癌、胃癌、乳癌、頭頚部癌、骨肉腫など)の治療歴があり、後に肺腫瘍が出現した患者で、当院において肺腫瘍の摘出手術を施行した症例を対象とする。本研究では、次世代シーケンス(NGS)解析とIn Silico解析により他臓器癌・肺腫瘍の保有する遺伝子変異プロファイルを比較検討し、肺腫瘍の原発・転移の診断を試み、その有効性、妥当性を検討する。肺転移症例においては、原発巣と転移巣でのmutation profileの進化系統樹phylogenyを算出し、予後との相関を検討する。さらに、oligometastasis病態の局所治療成績に影響を及ぼすmutational factorを同定する。
|
研究成果の概要 |
遺伝子変異profileは各癌固有のclonal markerと考えられる。個々の病変の遺伝子変異パターンの相違を検討することで、原発・転移の判別が可能となる。また、肺癌術後予後に相関するリンパ節転移のphylogenetic patternが同定され、リンパ節転移のgenetic stagingの意義が明らかとなった。一方、多発肺癌の再発時においても、ctDNAの遺伝子変異との一致性を検討することで、原発巣の同定が可能となる。総じて、通常の病理診断に遺伝子学的診断を追加することにより、病態に応じた適切な治療を行うことが可能となり、臨床学的にも有用であることが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の開発したゲノム診断法は、がんの本質である遺伝子変異に着目し、DNAシーケンスデータに基づき、従来の病理診断よりも格段に正確な診断が可能と考えている。すなわち、DNAデータの統計学的処理により、原発、転移の判定がほぼ100%の精度を持って判定され得る点が斬新・画期的と言える。本研究が臨床応用されることにより、正確な診断に基づき、適正な治療が施行されるようになり、該当患者の治療成績が根本的に改善され得ると考える。さらに、他臓器癌の肺転移、あるいは異時性原発性肺癌において、これら診断法に基づき、新たな治療体系が構築されることを期待している。
|