研究課題/領域番号 |
21K08897
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡辺 有為 東北大学, 大学病院, 助教 (20724199)
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研究分担者 |
田中 遼太 東北大学, 大学病院, 特任助手 (40647450)
渡邉 龍秋 東北大学, 大学病院, 助教 (70636034)
新井川 弘道 東北大学, 大学病院, 講師 (80636027)
岡田 克典 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90323104)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 肺移植 / 肺葉移植 / マージナルドナー / 局所呼吸機能 / 移植適応評価 / 局所肺機能 / 呼気二酸化炭素濃度 / EVLP |
研究開始時の研究の概要 |
肺全体では移植に不適応と判断されたドナー肺でも,肺葉によっては良好な状態を維持し,移植可能であることがある.しかしながら,肺移植におけるグラフト機能評価では局所の呼吸機能を測定することは難しく,いまだに確立された肺葉ごとの評価方法はない.本研究の目的は,ドナーにおけるin vivoと体外肺灌流装置におけるex vivoでの局所呼気CO2濃度測定が,ドナー肺葉ごとの移植適応評価として有用であるかを検討することである.
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研究実績の概要 |
ドナー肺葉ごとの移植適応評価を確立するために大動物モデルを用いて研究を行った. ①ブタ肺葉移植モデルの確立:ドナーとして体重45 kgのヨークシャー種家畜ブタを用いた.全身麻酔下に肺動脈本幹より灌流用カニューレを挿入し,4℃に冷却した肺保存液にて両肺を灌流,冷却し,両肺および心臓を一塊に摘出した. 6時間の冷虚肺保存ののち,左肺を上葉と下葉に分け,気管支,肺動脈,肺静脈をトリミングした.レシピエントとしてドナーより大型の体重30kgのブタを用いた.全身麻酔下に左主肺動脈,左上下肺静脈,左主気管支を各々クランプし切離,左肺上葉,または下葉のグラフトを,気管支,肺動脈,肺静脈の順に吻合し,換気,再灌流を行った.再灌流後4時間まで経過観察し,生理学的なパラメータを記録,移植肺葉の局所CO2濃度を測定した.また移植肺の肺静脈血を直接穿刺により採取し,血液ガス分析を行った.以上により,ブタ肺葉移植モデルを確立するとともに,上葉移植と下葉移植の生理学的な違いを記録した. ② 選択的胃液注入によるブタ誤嚥性肺炎ドナーモデルの導入とin vivoでの局所CO2濃度測定:同様に体重45 kgのブタを用いた.全身麻酔酔下に気管支鏡を用いて選択的に左上葉,または下葉に胃液を注入し, 4時間の換気を行った.気管支鏡下に各肺葉気管支の局所O2濃度,CO2濃度,気道内圧を測定した.また超音波により各肺葉の肺水腫の程度を評価した.さらに左心房へ流入する肺静脈それぞれを直接穿刺することによりdifferential ABGを測定した.次いで,①と同様にドナー肺の灌流,摘出,肺葉移植を行い,再灌流後4時間まで経過観察し,各種パラメータを測定した. 小括:超音波での肺水腫の評価が,肺移植後のdifferential ABGと最も相関していた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
仮説を立てたものとは異なるものの,臨床上必要とされるドナー肺葉ごとの移植適応評価を確立するという目標を達成し,さらに派生した特許申請も行うことができ,当初の計画以上に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
今後は最終年度として検体解析,国際学会での発表,英文論文執筆を予定している.
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