研究課題/領域番号 |
21K08931
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
松田 光正 東海大学, 医学部, 講師 (10384918)
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研究分担者 |
吉川 正信 東海大学, 医学部, 准教授 (90276791)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | モルヒネ誘発性疼痛 / Dセリン / 脊髄 / オピオイドペプチド / シアロルフィン / NMDA受容体 / モルヒネ / 疼痛 / 唾液腺 / ミューオピオイド受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
モルヒネ誘発性疼痛はナロキソンで拮抗されず、ケタミンを併用することで疼痛が抑制できることから、NMDA受容体の関与が考えられている。しかし、どのようなメカニズムでNMDA受容体が活性化するかについては明らかにされていない。DセリンはNMDA受容体グリシン結合部位の内在性リガンドとしてNMDA受容体活性を調節する。本研究ではDセリン代謝関連酵素遺伝子の改変動物などを用いてDセリン代謝とモルヒネ誘発性疼痛との関連性を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
モルヒネ誘発性疼痛に伴う脊髄内オピオイドペプチド量の変化を明らかにするため、膜長 3mmの直針型マイクロダイアリシスプローブAI-8-03(再生セルロース膜 3mm、MWCO=50,000Da)をラット脊髄後角に挿入し、シナプス中のメチオニンエンケファリンを検出した。しかしロイシンエンケファリンは検出限界以下であった(1nM未満)。ホルマリン疼痛刺激後のDセリンは第1相(0-5min)において変化が観察されなかったが、刺激後30-50min第2相Lグルタミン酸が漸減する時期に漸増し、50min以降は刺激前と比べて有意に増加した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
モルヒネ慢性投与、高濃度投与が脳脊髄液中のグルタミン酸遊離量を増加させることはよく知られているが、脊髄後角ニューロンの過敏化に重要な役割を果たすNMDA受容体活性化にDセリンが関与する可能性、Dセリンにより唾液腺よりシアロルフィンを遊離する可能性が示唆された。本研究によりモルヒネ誘発性疼痛がDセリンを介した機序が今後より検証出来れば、Dセリンを標的としたモルヒネ鎮痛効果の増強ならびにモルヒネの有害作用を軽減させる新たな治療薬を創出できる可能性がある。
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