研究課題/領域番号 |
21K08939
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
西岡 慧 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 医師 (60755544)
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研究分担者 |
木村 麻衣子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 医師 (50817301)
東 俊晴 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 医師 (60284197)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 単球 / 組織因子 / アポトーシス / 凝固活性小胞 / スーパーオキシド / NADPHオキシダーゼ / アポトーシス小胞 / スーパーオキシドジスムターゼ |
研究開始時の研究の概要 |
スーパーオキシドジスムターゼ (SOD)には三種類のアイソフォームが存在するが細胞外に発現するSOD3の病態生理学的意義は判然としない.今回の研究では,細胞外に存在するSODが単球に起因する凝固活性の亢進を抑制可能であることを証明する計画であるが,本研究事業の成果として細胞外SOD3の病態生理学的有用性が明らかとなり,その分子薬理学的機構への介入により血栓症を抑制するための治療戦略を新たに提唱できるものと考える.
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研究成果の概要 |
ヒト単球由来細胞(THP-1)が低温曝露によって組織因子(TF)を含む小胞を放出する分子機構を解析した.24時間の低温曝露後,細胞を洗浄し,復温後に採取された上清中のTF活性は対照群と比較して高かった.このことから上清中のTFは細胞障害による漏出ではなく、細胞洗浄などの刺激によって能動的に放出されたと考えられる.低温曝露によりTHP-1細胞内への細胞外カルシウムの流入が引き起こされ,これがNADPHオキシダーゼの細胞質成分を細胞膜へ動員し,そこで発生したスーパーオキシドがTF放出を促進したと考えられた.また細胞外に添加したSODは低温曝露によるTF放出を抑制した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体内でSOD3として存在する細胞外SODの病態生理学的役割は明らかにされていない.今回の研究成果ならびに過去にわれわれが行った研究により,複数の刺激経路がヒト単球系細胞のNADPHオキシダーゼ(NOX)を活性化し、組織因子(TF)の放出を引き起こすことが明らかとなった。またNOXにより細胞外に放出されるスーパーオキシドが、TF活性を持つ小胞を細胞から切り出す責任活性酸素種であることも示された。単球による血液凝固亢進作用は静脈系血栓の増大に関与すると考えられるため、本研究で得られた知見は、静脈血栓塞栓症の発生を制御するための薬理学的介入法を新たに提案するための重要な手がかりとなるだろう。
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