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線維筋痛症におけるIgGを介した病態メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K08970
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分55050:麻酔科学関連
研究機関神戸大学

研究代表者

野村 有紀  神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (60643955)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード線維筋痛症 / IgG / 後根神経節 / グリア細胞 / 中枢神経 / 慢性疼痛
研究開始時の研究の概要

線維筋痛症は慢性的な全身性疼痛、精神症状を伴う極めて難治性の疾患である。病因、病態および疼痛の分子メカニズムについては明確ではなく、診断マーカーの発見や病態解明および治療法の確立が急がれる。代表者らはこれまでに自己免疫機能の異常が線維筋痛症の病態に関与する可能性を見出してきた。本研究では免疫学的な疾患概念に基づき、新しいモデル動物を用いて、病態メカニズムの解明を試みる。具体的には、(1)患者由来IgGをマウスへ投与し、ストレスの有無によるIgGの体内分布と動態、(2)IgGが結合する標的分子の探索、(3)中枢組織におけるIgGの局在と機能への影響を解明する。

研究実績の概要

本研究では、線維筋痛症患者におけるIgGがもたらす病態のメカニズムを明らかにすべく、①線維筋痛症患者から精製分離したIgGおよび健常者由来のIgGをマウスへ投与し、ストレス負荷の有無によるマウス組織への局在および動態を解析し、②局在を認めた組織において、ターゲットとなる分子候補を検討することで、線維筋痛症の病態メカニズムを明らかにすることを目的としている。
本年度は線維筋痛症患者および健常者の血清より精製分離したIgGに対して蛍光色素の付加を行い、足底切開による手術侵襲を加えたマウスへの投与を行い、In Vivo Imaging System(IVIS Lumina LT)を用いて全身性局在分布を検討した。特に中枢組織(脳、脊髄、後根神経節)および足底切開創への蓄積が認められたことから、免疫組織染色を用いた分布、局在の解析を行った。脳においては患者由来IgGが大脳皮質感覚野領域のアストロサイトと局在を共にしていた。後根神経節においては、神経細胞体を取り囲むようびサテライトグリア細胞に局在を示した。一方、その他のいずれの組織においても、血管内皮への局在が強く認められた。
次に、患者由来IgGを中枢神経構成細胞であるミクログリア、アストロサイトおよびマクロファージの培養細胞とそれぞれ培養し、細胞機能への影響についてqPCRを用いた遺伝子発現解析を行った。炎症性サイトカイン、抗炎症性サイトカイン、ケモカインのいずれの発現増加も認めなかった。しかし、ミクログリアにおいては患者由来IgGをATP刺激とともに行うことによって、TNFおよびCX3CL1の有意な発現上昇が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

IgGサンプルによって、局在の弱いものがあるなど、動態が異なることが明らかとなった。患者由来IgGは複数患者の血清から混合精製されたものであることから、サンプル毎に局在の程度が異なる可能性が考えられた。

今後の研究の推進方策

新たな患者由来IgGを入手し、複数のIgGサンプルを比較することで、後根神経節および中枢神経系への特異的な局在を示すIgGを選別した上で、予定の研究を遂行する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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