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マイオカイン、特にイリシンに注目した慢性疼痛の制御を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 21K08979
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分55050:麻酔科学関連
研究機関順天堂大学

研究代表者

山口 敬介  順天堂大学, 医学部, 教授 (10338410)

研究分担者 長岡 功  順天堂大学, 保健医療学部, 特任教授 (60164399)
井関 雅子  順天堂大学, 医学部, 教授 (80221076)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード慢性疼痛 / イリシン / サブスタンスP / 運動 / ミクログリア / アストロサイト / 炎症
研究開始時の研究の概要

マイオカイン、特にイリシンの抗炎症効果に着目して、運動誘発性鎮痛(EIH)のメカニズムと、それを利用した安全で効果的な運動方法の確立を目指す。
目標1. in vitro の解析;細胞・分子レベルでの解析
目標2. in vivo の解析:マウスモデルでの解析
目標3. in vivo の解析:ヒト慢性疼痛患者検体での解析

研究実績の概要

超高齢化社会を迎え、慢性疼痛、認知症、サルコペニアなどの老年症候群患者の増加が社会的問題となっている。一方、高齢者への運動介入は、老年症候群の発症、死亡リスクを下げられることが広く知られている。運動時に骨格筋から分泌される生理活性物質であるマイオカインは、「骨格筋線維に発現し、そこから分泌されるサイトカインおよびペプチドで、傍分泌的・ 内分泌的に作用するもの」と定義されており、これまで運動(=筋収縮)によって骨格筋で合成され、細胞外に分泌されると認識されてきた。既に同定されているマイオカインには全身の代謝調節や抗炎症作用などの多数の生理作用を有するものが報告されており、近年注目されている。マイオカインの一種であるイリシン(irisin)は、海馬における神経細胞のシナプス可塑性に作用する脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現を誘導し、認知機能を高めることが報告されている。これらの現象から、イリシンが神経原性炎症抑制に深く関与していることが予想される。
これまでに、神経伝達物質サブスタンスP (SP) が慢性疼痛や神経原性炎症に深く関わっていることを明らかにしてきており、「イリシンがSPのシグナル伝達系に作用して、抗炎症効果を介して鎮痛効果を発揮しているのではないか」という仮説をたてた。
マイオカインの慢性疼痛に対する効果を分子生物学的に解明し、慢性疼痛治療方法の確立に役立つことが期待できる。
本年度は、HMC3細胞において、10nM SP刺激によりERK1/2、P38 MAPKのリン酸化が認められることを確認できた。それに対するイリシンの抑制効果は現在確認中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究時間の確保が難しい時期があったため、当初の計画より遅れている。
具体的には、1. イリシンの炎症性サイトカイン産生抑制効果についての検討、2.イリシンの炎症性転写因子NF-kB活性化抑制効果についての検討などを早急に進めていく予定である。

今後の研究の推進方策

ヒトミクログリアHMC3細胞におけるNK1受容体を介する細胞内情報伝達経路とイリシンの影響についてin vitroの検討を早急に推進する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Effectiveness of stellate ganglion block for the treatment of patulous eustachian tube2023

    • 著者名/発表者名
      J Akiyama, M Imai, K Yamaguchi.
    • 雑誌名

      A case report. Clin Case Rep

      巻: 11 号: 1

    • DOI

      10.1002/ccr3.6713

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Anti-inflammatory action of dexmedetomidine on human microglial cells.2022

    • 著者名/発表者名
      Yamazaki S, Yamaguchi K, Someya A, Nagaoka I, Hayashida M
    • 雑誌名

      Int J Mol Sci

      巻: 23 号: 17 ページ: 10096-10096

    • DOI

      10.3390/ijms231710096

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 【がん疼痛治療~up to date~:アーカイブス】ここ数年で進歩した骨転移痛に対する治療法 骨転移痛に対する神経ブロック療法2022

    • 著者名/発表者名
      山口 敬介, 前田 剛, 飯田 史絵, 田中 英文, 斎藤 貴幸, 中村 かんな, 今井 美奈, 秋山 絢子, 松本 園子
    • 雑誌名

      ペインクリニック

      巻: 43

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 当センター「長寿いきいきサポート外来(フレイル・サルコペニア外来)」を受診し、当科に紹介された患者について2023

    • 著者名/発表者名
      山口敬介
    • 学会等名
      第45回日本疼痛学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 胸部遷延性術後痛と上肢複合性局所疼痛症候群による難治性慢性疼痛に対して 脊髄刺激療法が有効であった1例2023

    • 著者名/発表者名
      山口敬介
    • 学会等名
      第37回日本ニューロモデュレーション学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 痛みの原因診断へのアプローチ、問診、診察、画像診断2022

    • 著者名/発表者名
      山口敬介
    • 学会等名
      日本ペインクリニック学会第56回学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 運動器慢性疼痛に対するリハビリテーション医療の問題点と今後の展望 大学病院でのリハビリテーション医療導入の課題と展望2022

    • 著者名/発表者名
      山口 敬介, 高倉 朋和, 井関 雅子, 会田 記章
    • 学会等名
      第6回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 脊椎手術後症候群に超音波下仙腸関節枝パルス高周波法が著効した2例2022

    • 著者名/発表者名
      中村 かんな, 飯田 史絵, 今井 美奈, 山口 敬介
    • 学会等名
      日本ペインクリニック学会第56回学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 仙腸関節痛患者における長後仙腸靱帯に対するパルス高周波の治療経験2022

    • 著者名/発表者名
      今井 美奈, 山口 敬介, 飯田 史絵, 中村 かんな, 井関 雅子
    • 学会等名
      日本ペインクリニック学会第56回学術集会,
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 帯状疱疹関連痛に一時的脊髄刺激療法が有効であった2例2021

    • 著者名/発表者名
      飯田史絵, 山口敬介
    • 学会等名
      第43回日本疼痛学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] がん性疼痛 薬の使い方2022

    • 著者名/発表者名
      山口敬介(花岡一雄編集)
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      克誠堂出版
    • ISBN
      4771905614
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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