研究課題/領域番号 |
21K09015
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
川本 英嗣 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20577415)
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研究分担者 |
島岡 要 三重大学, 医学系研究科, 教授 (40281133)
朴 恩正 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (20644587)
赤間 悠一 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (40763313)
高娃 阿栄 三重大学, 医学系研究科, 助教 (50643805)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 細胞外小胞 / 敗血症 / SIRS / インテグリン / PD-L1 / Tリンパ球 / β1、β2、β3インテグリン / ショック / 免疫麻痺 / 腎機能障害 / エキソソームPDL1 / エフェクターT細胞の疲弊化 / 制御性T細胞(Treg) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では「仮説1:敗血症患者の血液中に存在するエキソソームPD-L1がエフェクターT細胞の疲弊化(T細胞の機能低下、リンパ球の減少)を誘導し、仮説2:さらにエキソソーム内に含有されるmiRNAが制御性T細胞(Treg)の機能強化を引き起こして敗血症の免疫麻痺に中心的役割を果たしている」という2つの互いに関連する学術的な問いを検証する。
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研究実績の概要 |
血漿中の細胞外小胞(EV)は、がんや炎症性疾患の発症に重要な細胞間コミュニケーションを仲介している。EVは、標的特異性を制御するインテグリンや、リンパ球の活性化を抑制するプログラム細胞死リガンド1、2(PD-L1、2)などを発現している。しかし、全身性炎症反応症候群(SIRS)や敗血症におけるEV上のこれらの分子の役割については、ほとんど解明されていない。今年度は、SIRSおよび敗血症におけるインテグリンおよびPD-1リガンドのEV発現が、健常対照者と比較してどのように異なる可能性があるかを調べ、その発現と病態を反映する臨床パラメータとの相関を検討した。敗血症を伴わないSIRS患者27人、敗血症患者27 人、健常ボランティア18人を対象とした。血漿試料からEVを分離した。3つの主要なインテグリン(β1、β2、β3インテグリン)、PD-L1および2の発現を測定した。β2インテグリンとPD-L2のEV発現は、健常対照者と比較して敗血症患者で有意に増加した。PD-L1のEV発現は、敗血症およびSIRSでは上昇しなかったが、循環血中可溶性PD-L1濃度(エキソソーム含有)は敗血症で有意に高値であった。さらに、敗血症患者におけるβ2インテグリンのEV発現は、低血圧および腎機能低下と相関していた。さらに、可溶性PD-L1レベルは、敗血症の重症度、腎機能障害、中枢神経系機能障害と相関していた。これらの結果は、多臓器不全につながる全身的な免疫活性化を伴う敗血症の病態に、EVのβ2インテグリンだけでなく、EVのPD-L2や可溶性PD-L1が関与している可能性を示唆していると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
重症患者の血液採取が予想より早くできたため。
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今後の研究の推進方策 |
患者血液データの解析を早めて論文作成を行う。
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