研究課題/領域番号 |
21K09018
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中尾 俊一郎 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (80834150)
|
研究分担者 |
小倉 裕司 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70301265)
松本 寿健 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (70644003)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 心停止 / トランスクリプトーム / 予後予測 / 分子ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
心停止および心停止後症候群に対する治療は、原因疾患や蘇生後の神経所見など、臨床病態に基づいた分類を用いて集中治療が行われている。心停止後症候群の病態は十分に解明されておらず、予後に寄与する有効な治療はほとんどない。近年、遺伝子発現(DNA、RNA)や遺伝子産生物(蛋白、代謝産物)を網羅的に評価し、それらの分子生物学的情報に基づいて新たな病態を解明することが可能となってきた。本研究の目的は、心停止患者の血液を用いた、網羅的遺伝子発現に基づいて心停止および心停止後症候群の新規病態解明を行うことである。本研究は、心停止および心停止後症候群における個別化医療への先駆けとなる研究となりうる。
|
研究実績の概要 |
本研究では、心停止患者の血液を用いた網羅的遺伝子発現に基づいて心停止および心停止後症候群の新規病態解明を行うことである。現在、当院に搬送された心停止蘇生後の患者でRNA検体を採取できた40例と健常人ボランティアの全血液検体を用いたRNAシークエンス測定を完了し、データを解析中である。 先にRNAシークエンス測定が完了していた検体を利用し、preliminary解析を実施した。健常人11例、心停止蘇生後患者31例のサンプルを用いて、オンライン解析ツールであるiDEPにuploadして解析した。pre-processで図表を作成した。主成分解析PCAでは心停止蘇生後患者 vs Controlとし、健常群と比較するとばらつきがあることが示唆された。発現変動遺伝子(Differentially Expressed Genes; DEG)解析では、心停止蘇生後患者 vs Controlに指定し、up regulationまたはdown regulationを視覚化したFigureを作成した。さらに遺伝子発現の変化を確認した。パスウェイ解析を行い、遺伝子群の変化をFigureにした。RNAの動きとして、炎症反応を起こすパスウェイが増強され、蛋白・代謝を生じるパスウェイは減少している可能性が示唆された。今後、測定したRNAシークエンス結果のすべてを用いて主成分解析、発現変動遺伝子解析、パスウェイ解析などを行い、遺伝子発現に基づいた心停止および心停止後症候群の分子ネットワーク病態を解明し、患者を層別化して予後との関連等を評価していく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年の延長が必要だったが、目標としていた心停止蘇生後の症例40例と健常人ボランティアのRNAシークエンス測定を完了し、データを解析中である。
|
今後の研究の推進方策 |
心停止後症候群患者40例と健常人ボランティアのRNAシークエンス測定を完了し、データを解析中である。今後、心停止後症候群の分子ネットワーク病態を解明し、患者を層別化して予後との関連等を評価していく。
|