研究課題/領域番号 |
21K09029
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
佐々木 淳一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (90235250)
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研究分担者 |
本間 康一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (10383762)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 心停止症候群 / 心停止後症候群 / オミクス解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、体温管理療法および水素ガス吸入療法が標的臓器の代謝経路に与える変化及びそれに関与する代謝産物を網羅的に検討するためトランスオミクス解析を駆使する。それによりターゲットとなる代謝経路の促進薬もしくは阻害薬を用いて効果を再現できれば、特別な医療資源を用いずに心停止後症候群患者の予後を改善する創薬への展開が可能にある。予備実験結果より本研究を行う妥当性があると確信した。さらに、腸内容物の解析により腸管免疫の視点から解析を加える内容は独創性が高い。このアプローチは世界初の試みで社会的意義が大きく、大きな変革をもたらす可能性を秘めている。
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研究成果の概要 |
背景:心停止症候群(PCAS)に対して有効な治療法は存在しない。方法:PCAS動物をECPRで蘇生し、水素(H2)ガス投与による各種パラメータを評価した。結果:H2群は生存率、EEG活動を改善させた。脳組織酸素化を改善し、中心静脈圧の上昇を抑制した。また、Syndecan-1の増加を抑制し、IL-10、VEGF、レプチンを増加させた。オミクス解析では、d-グルタミンおよびd-グルタミン酸代謝に有意な変化を同定した。結論:H2治療はECPRで蘇生させたPCAS動物の死亡率を改善し、脳電気活動を回復させた。オミクス解析で新規治療ターゲットの候補を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昨今増加している体外循環式心肺蘇生(ECPR)に対して、水素ガス(H2)の投与が生存率と脳機能の回復を顕著に改善することを示した。さらに、オミクス解析による代謝物分析において、ECPR後2時間で両群間にd-グルタミンおよびd-グルタミン酸代謝における有意な変化を同定した。これにより、患者の予後改善、医療コスト削減、新規治療法の開発に貢献する可能性がある。
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