研究課題/領域番号 |
21K09033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
平湯 恒久 久留米大学, 医学部, 助教 (00647745)
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研究分担者 |
高須 修 久留米大学, 医学部, 教授 (90236216)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 重症熱中症 / 血管内皮障害 / 細胞外小胞 / ミトコンドリア / 熱中症 / 血管内皮傷害 / 血小板由来蛋白 / 播種性血管内凝固症候群 / DIC / 播種性血管内凝固症候群(DIC) / Extracellular Vesicles |
研究開始時の研究の概要 |
重症熱中症では、血小板の低下や播種性血管内凝固症候群(DIC)、臓器障害を呈するが、現状では冷却以外の確立された治療法はない。血管内皮細胞障害が臓器障害の一因と考えられるため、血管内皮細胞障害に至るメカニズムと、修復方法を明らかにすることは、重症熱中症に対する治療アプローチを考える上で重要となる。 本研究では、重症熱中症モデルにおける血小板由来蛋白および細胞外小胞の態度と、細胞培養および熱中症マウスモデルにおける血管内皮障害との関係、さらには、健常マウスの血小板から抽出・調整される血小板由来物質が、重症熱中症で生じる血管内皮障害の修復に寄与し重症熱中症の病態を改善しうる否かを検討する。
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研究成果の概要 |
熱中症は近年増加傾向にあるが、臓器障害から死に至る重症例に関しては病態について不明な点が多く、冷却以外の治療法が確立されていない。本研究では、熱中症モデルマウスの作成、高温による直接作用、新規治療法の検討を行った。高温多湿環境を作成し、深部温度の上昇を伴う熱中症モデルマウスを作成し、培養細胞(HUVEC)を高温に曝露することで血管内皮障害が発生することを確認した。また、血液サンプルの加温により凝固障害を認めた。新規治療法として、Mito-EVsをNanosightおよびフローサイトメータで評価し、加温したEVsサンプルで平均蛍光強度の低下を観察し、ミトコンドリア機能不全が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、重症熱中症における臓器障害の病態解明と新規治療法の探索について行った。高温環境が凝固障害、血小板の活性化、血管内皮障害を引き起こすことが示唆された。現在の重症熱中症診療における治療の根幹は、素早く体温を下げることにあるがそれを裏付ける病態と考えられる。さらに、加温によるmitochondriaの機能不全を示唆する結果を得て、新規治療の可能性を探る基礎を築いた。これにより、冷却以外の新規治療法探索の一助となり、今後の熱中症治療の進展が期待され、社会的にも有益な成果といえる。
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