研究課題/領域番号 |
21K09039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
林 洋輔 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (60867266)
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研究分担者 |
松村 洋輔 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (00466707)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | REBOA / IRI / Partial REBOA / organ perfusion / Occlusion tolerance / 出血性ショック / Post-REBOA IRI / % balloon volume / 血液浄化 / サイトカイン吸着 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,難治性出血性ショックや心停止に対する蘇生手段としてREBOAが普及してきた.しかし遮断強度・遮断時間とIRIの重症度の関係や,有効な治療についての検証はなく,今後の課題である.Post-REBOA IRIに対する血液浄化療法を用いたPost-REBOA IRIの制御法確立が本研究の目的である.生体ブタ出血性ショックモデルにおけるPost-REBOA IRIのバイオマーカー測定, それに基づきサイトカイン吸着能の有無で分けた3種類の血液浄化膜による血液浄化療法の効果を検証する.
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研究成果の概要 |
生体ブタを出血性ショックとし,Resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta (REBOA) で90分間大動脈遮断した虚血再還流障害モデルを作成し血液浄化療法群4頭とコントロール群4頭を比較した結果,統計学的有意差は認めなかったが,生存率は50% vs. 25%と血液浄化療法が高い傾向にあり,pHやカリウム,サイトカイン,病理学的腸管ダメージスコアは血液浄化療法群が低い傾向を認めた. これらは血液浄化療法が代謝性アシドーシスや高カリウム血症,高サイトカイン血症,腸管ダメージを軽減することで生存率を改善させる可能性を示唆した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
出血性ショックの蘇生で用いられるREBOAは動脈性出血の制御と中枢臓器灌流維持が期待される.一方,遠位臓器虚血や虚血再灌流障害といった合併症を来しうるが,その有効な治療についての検証はこれまでなかった. 本研究では統計学的有意差は示せなかったが,代謝性アシドーシスやカリウム,サイトカインを含むバイオマーカーの制御,腸管ダメージの軽減といった血液浄化療法の有効性を示唆した点に学術的意義がある.また追加検証が必要だが,血液浄化療法は類似病態ですでに一般的な治療法で臨床応用が容易である.血液浄化療法の効果を明確化できれば難治性出血性ショック患者の救命や機能温存予後改善に貢献でき,社会的意義は大きい.
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