研究課題/領域番号 |
21K09040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
島居 傑 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (20598239)
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研究分担者 |
中田 孝明 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20375794)
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研究期間 (年度) |
2024-01-17 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | サイトカイン / バイオマーカー / 高齢 / 敗血症 / Sepsis / Comprehensive analysis / Cytokine / Elderly / Nonelderly |
研究開始時の研究の概要 |
サイトカインは、その血中濃度が敗血症患者の予後予測に有用となる。しかし、網羅的解析結果に基づいてその有用性につき検討された研究は乏しい。高齢者では生体反応が鈍化するため、侵襲時のサイトカイン発現パターンやその予後との関連が非高齢者とは異なる可能性がある。しかし、敗血症におけるその違いを検討した研究は不十分である。 本研究では、動物実験で非高齢/高齢敗血症それぞれでのサイトカイン発現パターンにつき網羅的解析を行い、年齢群間で動態が異なるサイトカインを同定する。その解析結果に基づきヒト敗血症症例での解析を行うことで、非高齢/高齢敗血症患者それぞれで特徴的に予後と関連するサイトカインを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度は、実験環境の整備と解析に向けての検体収集を進めた。また、既存の臨床データを収集し、その解析を行うことで、代表的な炎症性サイトカインであるInterleukin-6(IL-6)の、非高齢/高齢敗血症患者それぞれにおける予後との関連につき、検討を行った。 動物実験では、ヒトに類似した加齢性変化を観察すべく、文献検索により、非高齢/高齢マウスそれぞれの、適切と考えられる週齢の決定を行った。結果、本研究では、非高齢マウスは16-20週齢、高齢マウスは88-104週齢を用いるのが適切と考えられた。また、高齢マウスは安定した供給が滞る可能性があるが、これらの週齢のマウスを安定供給可能な業者の選定も行った。敗血症作成のための手術手技(盲腸結紮穿孔 [CLP] 手術)は既に習得しているため、今後、これらのマウスを用いて、非高齢/高齢それぞれの敗血症モデルを作成し、血液検体の採取を行いサイトカインの解析に進む予定である。 ヒト敗血症症例を対象とした解析の準備としては、千葉大学医学部附属病院ICUに入室した、敗血症患者の臨床データ、血液検体の収集を進めた。使用可能な既存検体も確認した結果、令和3年度末時点で、計500例の血液検体を蓄積できている(非高齢 [75歳未満] 331検体、高齢 [75歳以上] 169検体)。今後の解析に備え、引き続き検体収集を継続する。 既存の敗血症患者の臨床データ(千葉大学医学部附属病院ICU入室症例、n=529)を用いた解析では、IL-6血中濃度は非高齢敗血症患者では生命転帰と関連する一方、高齢敗血症患者では、その関連が乏しいことを示す結果が得られた。これは、バイオマーカーとしてのIL-6の有用性に新たな知見を加えうると考えられる。今後解析を深め、学会・論文での発表を行う予定である。
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