研究課題/領域番号 |
21K09043
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
|
研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 (2022-2023) 三重大学 (2021) |
研究代表者 |
丸山 一男 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 教授 (20181828)
|
研究分担者 |
澤田 博文 三重大学, 医学系研究科, 講師 (30362354)
丸山 淳子 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (50263017)
三谷 義英 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (60273380)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | ATOH8 / 肺高血圧 / モノクロタリン / Sugen / hypoxia |
研究開始時の研究の概要 |
肺高血圧は、肺血管の収縮と、肺血管壁の肥厚により、右心室に負荷が発生し、右心不全から生命の危機に至る疾患であるが、決定的治療は未だ開発されていない。その病態として、血管内皮細胞の機能的、構造的異常が知られている。本課題では、ATOH8は、atonal homolog 6(Hath6)ともいわれる、内皮選択的ずり応力反応転写因子の、実験的肺高血圧発症に対する関与を調べ、この転写因子が治療ターゲットになりうるかを解明する。
|
研究実績の概要 |
ATOH8(human atonal homolog 6, Hath6と同義)は、内皮選択的ずり応力反応転写因子であり、bone morphogenetic protein(BMP)で誘導される転写因子である。ATOH8の欠損マウスでは、慢性低酸素暴露による肺高血圧の発症が抑制されることが申請者を含むグループから報告されている(Science Signaling 2019)。ATOH8が欠損していると肺高血圧になるということは、逆に考えると、肺高血圧患者や実験的肺高血圧モデルでは、ATOH8が低下していて、ATOH8を上昇させる操作は、肺高血圧の発症を抑制するかもしれない。22~24年度の研究で、Sugen/hupoxia肺高血圧モデルでは、肺におけるATOH8の発現に変化は認められなかった。Sugen/hypoxiaモデルは、SUGEN5416皮下注後慢性低酸素暴露3週→空気下飼育で、肺血管の内膜増殖が発生する肺高血圧モデルである。一方、モノクロタリン肺高血圧モデルでは、ATOH8の発現低下が認められた。肺高血圧モデル間において、ATOH8の発現に差を認めるという結果は、肺高血圧発症におけるATOH8の関与は、肺高血圧という病態の下流に位置する可能性を示唆している。つまり、全ての肺高血圧に共通の発症原因というより、病態によって関与の度合いが異なる可能性がある。本課題では、実験的肺高血圧の病態として、ATOH8の発現低下が、肺血管平滑筋の肥大・増殖・新生という、肺血管の器質的異常に関与することを明らかにする点に特色があるのだが、モデル差があるということは、ATOH8の役割が限定的ある可能性が出てきた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の仮説では、肺高血圧の原因に関わらず、ATOH8は低下していると予想したが、Sugen/hypoxiaモデルでは変化なく、モノクロタリンモデルでは低下した。もともとの仮説を導き出したモデルは、マウスの慢性低酸素暴露モデルであった。モデルの違いによりATOH8の動きが異なるとは予想していなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
肺高血圧モデルの違いにより、ATOH8の発現に差を認めることについて、多方面から考察す必要がある。
|