研究課題/領域番号 |
21K09047
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
永瀬 裕朗 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (80571968)
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研究分担者 |
羅 志偉 神戸大学, システム情報学研究科, 教授 (70242914)
篠原 正和 神戸大学, 医学研究科, 教授 (80437483)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 熱性けいれん / 急性脳症 / AESD / サイトカイン / 脳波 / 脳血流 / 早期診断 / けいれん重積型急性脳症(AESD) / てんかん重積状態 |
研究開始時の研究の概要 |
けいれん重積型急性脳症(AESD)は有熱性けいれん性てんかん重積 (FCSE)で発症し、後遺症が60%に及ぶ小児救急での最重要疾患の一つである 。AESDは発症12時間以内に、同じくFCSEで発症する予後良好の熱性けいれんと鑑別し、治療する必要があるが、発症早期の鑑別法、有効な治療 法は定まっていない。本研究はAESDの病態に関連するてんかん重積状態、炎症、脳血流について、「分・時間」単位で記録された臨床情報とあ わせて解析し、発症早期のAESDに特異的な病態を解明し、早期診断法を開発する。また、各病態の相互の時間的関係を検討し、AESD発症のトリ ガーとなる病態を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度はFS (18例)(ComlexFS 12例、SimpleFS 9例)、AESD(5例)を対象とし、昨年までに明らかな変化が見られた炎症性・抗炎症性サイトカインであるIL-1β,IL-8, MIP-1a,MIP-1b, IL-1Ra, IL-10, PDGF-BBの発症後時間別、けいれん持続時間別の検討を行った。測定はHuman Luminex Discovery Assay(R&D Systems社製)を用いた。症例数が少なく、各診断間での測定値の有意差は認めなかった。炎症性サイトカインMIP-1a, IL-8は熱性けいれん後上昇していき、またけいれん時間が長いほどMIP-1a, IL-8の上昇が見られたが、I L-1Raはいずれとも相関しなかった。IL-1Raは発症直後(けいれん2時間以内)からAESD, CFSではSFSより著しく高値であった(AESD/CFS, SFS = 24247.7, 6095.19 p=0.003 )。既報の結果を踏まえると、炎症性サイトカインはけいれんの長さと関連し、けいれん後に上昇するが、CFSの重症例とAESDではけいれん発症前からSFSに比べて炎症が強くIL-1Raが発症時にはすでに上昇していることが示唆された。 脳波については、救急外来(ED)での簡易EEGの周波数解析を含む詳細な解析を56例を対象に行った。診断を熱性発作(FS)、急性脳症/脳炎(AE/AES)、てんかん、発熱を伴うてんかんに分類し、周波数解析はMATLABを使用し、投薬前のFSとAE/AESで代表される10秒×10のエポックを前頭部と後頭部に分けて解析した。FSとAE/AESで律動的デルタ活動が多く、てんかんと発熱を伴うてんかんでは棘徐波が多かった。FSの約25%のみに律動的シータ活動を認め、周波数解析ではFSで前頭部のシータ活動のパワーが強かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サイトカイン、脳波解析は順調に進んでいる。脳血流解析については、再現性のあるデータを得ることができていない。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの成果をまとめて論文化、学会発表を行う。
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