研究課題/領域番号 |
21K09048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中原 貴志 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (10560956)
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研究分担者 |
藤田 基 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50380001)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 熱中症 / 水素吸入療法 / Nアセチルシステイン / 臓器障害 / N-アセチルシステイン / 水素吸入 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、以下の2点を明らかにする。 ①重症熱中症(熱射病)におけるNアセチルシステインの臓器保護効果について ラット熱中症モデルにおいて、重症熱中症の主な病態である酸化ストレス傷害を抑制する効果をもつNアセチルシステインを用いて、臓器保護効果を解析する。 ②Nアセチルシステインと水素ガス吸入療法の併用による新規治療法の確立について Nアセチルシステインと水素ガス吸入と同様に酸化ストレス抑制効果を持つ水素ガス吸入療法とNアセチルシステインの併用療法の効果を解析し、重症熱中症における新規治療法を確立する。
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研究成果の概要 |
ラット熱中症モデルで、Nアセチルシステイン(NAC)およびNAC+水素ガス(H2)吸入の効果を検討した。NACは乳酸アシドーシスによるアシデミアを有意に抑制し、平均動脈圧の低下を抑制した。また、NACは、ASTおよびHMGB1を有意に抑制した一方で、ALTやsICMA-1の抑制効果は限定的であった。組織傷害の評価ではNACは肝および肺傷害を有意に増加させていた。水素ガスの併用は、肺傷害を抑制したが、肝傷害は抑制しなかった。NACは炎症性マーカーや乳酸アシドーシスを抑制し、平均動脈圧の低下を抑制する効果を示した。また水素の併用効果により、全身性炎症反応の抑制効果が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、Nアセチルシステイン(NAC)はラット熱中症モデルにおいて局所組織の保護作用を示さなかったが、全身性炎症反応を抑制し、平均動脈圧を改善する効果があることが示された。また水素の併用効により、全身炎症の抑制効果が示唆された。以上の結果から、NACは局所の傷害を抑制する効果より全身性の炎症反応の抑制効果のほうが高く、また水素ガス併用によりその抑制効果を増強できる可能性が示された。NACおよび水素ガス併用は臓器障害が生じる前の全身性炎症反応が生じる時期において熱中症の有効な治療法となりうることが示唆された。
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