研究課題/領域番号 |
21K09056
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
小野 聡 東京医科大学, 医学部, 兼任教授 (30531355)
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研究分担者 |
須田 慎吾 東京医科大学, 医学部, 助教 (30421093)
宮崎 裕美 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 医療工学研究部門, 講師 (30531636)
木下 学 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 教授 (70531391)
蒲原 英伸 東京医科大学, 医学部, 教授 (90398222)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 免疫抑制細胞集団 / 術後感染性合併症 / 敗血症 / 長期予後 / 重症病態 / 免疫抑制 / 骨髄由来免疫抑制細胞 / 制御性T細胞 / 外科侵襲 / 免疫麻痺 / 好中球リンパ球比 / 免疫抑制細胞 / 周術期管理 |
研究開始時の研究の概要 |
手術、外傷や敗血症などの外科侵襲後には著明な炎症反応が惹起されるとともに生体は免疫機能が低下し易感染性状態となり敗血症や敗血症性ショックから致死的病態に移行することがある。このような重症病態の形成や予後に関与している免疫担当細胞の機能不全の原因やその対策は確立されていない。そこで本研究では免疫麻痺に関与しているであろう細胞集団を明らかにし、これら免疫抑制細胞集団の特徴を解析し、その制御あるいは除去することができれば免疫機能を回復させることが期待できる。その結果、敗血症の新規治療法の確立や生命予後改善効果を目指した新たな周術期管理法の確立につながると思われる。
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研究実績の概要 |
重症病態時の生体反応、特に免疫抑制状態を解析するために敗血症患者を中心に検討した。解析項目は、末梢血白血球分画と免疫抑制細胞集団として注目している骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC)である。その結果、敗血症患者では、リンパ球の割合が低下することは以前から指摘されているが、単球分画の割合が上昇している症例が多い。我々はこれまで敗血症では形態が変化した単球が増加していることを報告している。さらに敗血症患者の末梢血中CD11b+CD33+HLA-DR-CD14+細胞をフローサイトメトリーで解析したところ、健常人に比べ著明に増加していることが明らかになった。我々はこの細胞集団をMDSCと定義し敗血症患者の重症度や予後と関連していることを検討している。またMDSCについては、消化器がん手術患者を対象に、術後感染性合併症例と非合併症例でその推移を検討している。その結果、術後感染性合併症が臨床的に治癒し退院した後の外来にて(術後3、6か月後)その推移を検討したところ、術後3、6か月後には白血球数やCRP値は感染合併例と非合併例で差を認めなかったが、MDSCは感染合併例では依然高値で推移していた。つまり術後感染性合併症を来した症例では、術後数か月にわたって免疫抑制状態が継続していることが明らかになった。今後はこのように術後MDSC高値持続症例のがん手術後の長期予後との関連について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
免疫抑制細胞集団と敗血症、がん手術患者長期予後との関連については、観察時間が長いため十分なデータがまだとれていないため。
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今後の研究の推進方策 |
免疫抑制細胞集団の解析方法は確立したため、今後は臨床データ(経過、長期予後)についてさらに解析する予定である。
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