研究課題/領域番号 |
21K09075
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
内藤 宏道 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (00536774)
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研究分担者 |
頼藤 貴志 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00452566)
中尾 篤典 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (40648169)
西田 一貴 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (30877072)
錦見 満曉 広島大学, 病院(医), 助教 (00816118)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 心停止後症候群 / 脳障害 / 昏睡 / 心停止 / 合併症 / 低体温療法 / 体温管理 / 心肺蘇生法 / RCT / 体温管理療法 |
研究開始時の研究の概要 |
重症神経障害を呈する心停止後症候群の予後は不良であり,治療法は確立されていない。脳温を低下させる管理法が,神経障害のある心停止後症候群の唯一の治療法ともいえるが,目標とすべき温度は国際ガイドラインで32℃から36℃のうちいずれかを選択し持続することが推奨されるのみで,判断は現場にまかされている。これまでに心停止後症候群の重症度を加味したRCTは実施されていない。本研究は,意識障害呈する心停止後症候群患者に対し,より低い低体温療法と常温管理に近い低体温療法を行い,さらに重症度を加味した上で神経学的予後の違いを検証する多施設RCTである。
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研究実績の概要 |
重症神経障害を呈する心停止後症候群(PCAS)の予後は不良であり、治療法は確立されていない。脳温を低下させる管理法が、神経障害のある心停止後症候群の唯一の治療法ともいえるが、至適な管理目標温度は定まっていない。 2021年8月に発表されたTTM-2試験はこれまでで最大規模の無作為化比較試験(RCT)である。33℃を目標とする低体温療法群と37.8℃以上の発熱に介入を行う常温療法群に180日生存に関して差は認められなかった。さらに、他の最近の研究で、低体温療法は、中等度程度のPCAS患者(すなわち介入を必要としない軽症患者でなく、また、救命不能であるほどの虚血障害を負った最重症患者でない)で効果を発揮する可能性が示された。新たに発表された、この2つの研究を受け、本研究では、院外心停止・自己心拍再開後に意識障害を呈する患者のうち、もっとも効果が高いと推測される重症度(中等症)の患者選択を行い、低体温療法(34℃)または常温療法(37℃)を行った後、30日神経学的予後の違いを検証する。 現在、研究計画が岡山大学倫理委員会に承認され、34施設で症例の組込みを行っている(適宜追加予定)。研究専用Electronic Data Captureを構築しランダム化およびデータの登録を行っている。定期的な多施設での研究ミーティングを実施し、問題点や研究体制の確認を行っている。モニタリング・データマネジメントを開始し、大きな問題は生じていない。2023年3月31日の時点で、49例の症例が登録されている。380例の症例登録が目標であり、190例の時点で中間解析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
5年の研究期間の2年目が終了した。現在、症例登録を行っているが、症例の登録数は2023年3月31日の時点で、49例に留まっている。 参加施設は現時点で、旭川医科大学、岡山大学病院、京都医療センター、久留米大学病院、国際医療福祉大学成田病院、国立病院機構熊本医療センター、済生会宇都宮病院、佐賀大学医学部附属病院、札幌医科大学附属病院、JA広島総合病院、順天堂大学医学部附属浦安病院、聖隷浜松病院、千葉大学医学部附属病院、津山中央病院、長崎みなとメディカルセンター、奈良県立医科大学、新潟大学医歯学総合病院、広島市立広島市民病院、広島大学病院、福岡大学病院、八尾徳洲会総合病院、山口大学医学部附属病院、りんくう総合医療センター、獨協医科大学病院、大阪府済生会千里病院、京都第二赤十字病院、島根県立中央病院、島根大学医学部附属病院、愛媛大学医学部附属病院、大分大学医学部附属病院、熊本赤十字病院、長崎医療センター、済生会熊本病院、富山県立中央病院の34施設である。組み込み数が目標数の約半数程度で推移しているため、各参加施設で適応となった症例をできるだけ組み込んでいくことが課題である。
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今後の研究の推進方策 |
症例の組込みが目標数の半数程度で推移しているため、組み込み数を各病院で増やすこと。また、あらたな組み込み病院の研究協力を検討している。専用メーリングリストを開設し、定期的なミーティングを実施している。データマネジメント、モニタリングを適切に行い、目標症例に残り3年間で到達できるように研究グループの調整を行っていくことが重要と考えている。目標症例数(380例)の半分に到達した時点での中間解析を予定している。 また、本年度はプロトコル論文の作成を行う予定である。
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