研究課題/領域番号 |
21K09082
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
内田 直樹 昭和大学, 医学部, 教授 (00286775)
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研究分担者 |
土肥 謙二 昭和大学, 医学部, 教授 (20301509)
松山 高明 昭和大学, 医学部, 教授 (40349113)
八木 正晴 昭和大学, 医学部, 准教授 (40338520)
原野 康平 昭和大学, 医学部, 助教 (30914220)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 脳低温療法 / 薬物代謝 / 鎮静薬 / ミダゾラム / 復温期 / 投与管理アルゴリズム |
研究開始時の研究の概要 |
脳保護作用や頭蓋内圧低下作用を目的とする脳低温療法は,低温状態の維持期において持続的な鎮静薬の静脈投与により鎮静状態を維持し,一定期間の低温処置を行った後で体温レベルに復温後,鎮静薬の持続投与は終了するが,投与終了後も鎮静効果が持続する過鎮静の発現が臨床上問題となっている.過鎮静の発現防止には鎮静薬の血中濃度の詳細なモニタリングが有効であるがこれまでに詳細に血中濃度を解析した研究報告はない. 本研究は脳低温療法の復温期における鎮静薬の薬物動態を詳細に分析するとともに,患者の臨床的多様性を考慮した適切な鎮静薬投与管理アルゴリズム(投与管理計画)の策定に寄与する情報収集を行う.
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研究成果の概要 |
救命救急医療において行われる脳保護を目的とした脳低温療法では鎮静薬が持続投与されるが,平熱への復温とともに鎮静薬の投与は終了する.復温による鎮静薬の過度な血中濃度上昇の報告があるため,復温による血中濃度上昇に起因する臨床的因子の探索を試みた. 脳低温療法での管理温度範囲において鎮静薬の代謝酵素活性に差は認められず,血中濃度上昇と,年齢,体格、主な臨床検査値との関連性は確認されなかった. 本研究より復温過程の血中濃度上昇は,鎮静薬の体内分布の変化によるものと示唆された.薬物の体内分布に影響する因子は多岐にわたる.更なる症例の蓄積により,充分な例数に基づく解析を行う必要があるものと考える.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
救急医療において用いられる脳低温療法の対象は,治療適応となった経緯(外傷,脳血管障害など)や性別・年齢など多様性に富んでいる.鎮静薬の薬物動態に影響を与える臨床的な要因は多数存在することを勘案すると,臨床的な多様性を加味した復温時における適切な鎮静薬投与の管理方法の確立が必要である.復温時の鎮静薬の濃度変化を適格に予想し,安全で適切な投与量の決定に寄与する管理方法の策定のためには,多様な症例データの蓄積に基づいた検討を行っていくことが必須である.
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