研究課題/領域番号 |
21K09085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
森田 昭彦 日本大学, 医学部, 兼任講師 (80547117)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 急性脳炎・脳症 / 定量脳波解析 / functional connectivity / 神経損傷 / 神経救急 / パワースペクトル解析 / コヒーレンス解析 / 急性脳炎 / 急性脳症 / 定量脳波 / power spectrum / coherence / 脳炎 / 脳症 |
研究開始時の研究の概要 |
急性脳炎・脳症は、診断や治療の遅れが転帰不良に直結する神経救急疾患である。しかし、病初期に個々の患者の神経損傷の程度を評価することはきわめて難しい。 外傷性脳損傷や脳卒中などによる意識障害例を対象とした定量脳波解析の手法を用いた検討から、脳内の機能的連絡(functional connectivity)の低下が神経学的予後と関連することが報告されており、急性脳炎・脳症例において定量脳波を用いた脳内の機能的連絡の評価が神経損傷の指標となる可能性がある。 本研究の目的は定量脳波を用いた急性脳炎・脳症の神経損傷の新たな評価指標を開発することである。
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研究成果の概要 |
定量脳波を用いた急性脳炎・脳症の神経損傷の新たな評価指標の探索を行った。急性期にデジタル脳波計による脳波検査が施行された単純ヘルペス脳炎(HSE)、抗N-methyl-D-aspartate受容体脳炎、無菌性髄膜炎患者の3群を対象とし定量脳波解析を行い、臨床像との関連を検討した。 HSEでは有意な脳波の徐波化と脳内機能結合の低下域の拡大を認めた。一方、髄液中S100β、NSE、GFAP値は3群間で有意差を認めなかった。 患者転帰との関連ではspectral ratio(α帯域とβ帯域の絶対パワー値の総和をθ帯域とδ帯域の絶対パワー値の総和で除したもの)のみが有意な転帰影響要因として同定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
定量脳波を用いた急性脳炎・脳症の神経損傷の新たな評価指標の探索を行い、単純ヘルペス脳炎では急性期実施脳波にて有意な徐波化と脳内機能結合の低下域の拡大を認め、急性脳炎・脳症の転帰不良と脳波の徐波化との関連が有意であることを明らかにした。デジタル脳波計を用いた脳波検査は保険収載されており、全身状態不良の患者でもベッドサイドで安全に実施可能である。本研究で用いた高速フーリエ変換によるパワースペクトル解析やコヒーレンス解析は、定量脳波解析の手法として既に確立されていることから、この検査法は急性脳炎・脳症患者における神経損傷の客観的な評価指標となり、新たな治療の開発に貢献すると考える。
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