研究課題/領域番号 |
21K09095
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金 太一 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (90447392)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 3DCG / バーチャルリアリティ手術シミュレーション / オンライン医学実習 / 医学実習 / 手術シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
授業や講義など教育のオンライン化が急速にすすんでいるが、オンラインでは触覚を体験できないことや、対面実習でしか得られない医療情報があるため、解剖学“実習”や病院“実習”のオンライン化は極めて困難であるとされている。本研究ではこの課題に対して数の新規技術の開発をもって解決にあたる。具体的には、視聴覚および触覚の相対性に着した触覚情報提示支援技術を開発する。また、実空間の患者情報と医用画像情報や参考書との仮想情報とを融合する複合現実技術を開発する。開発技術を用いたオンラインシミュータを開発し、その有効性や従来の対面実習との教育効果を比較する。
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研究実績の概要 |
令和4年度は予定通りの進捗であり、研究に遅れや変更はなかった。具体的には、視聴覚および触覚の相対情報を活用した触覚情報支援技術およびその手術シミュレータの開発と精度検証を実施した。開発エンジンとしてUnityを用いて、鼻腔内骨性成分のドリル操作を対象とした手術シミュレータを開発した。ポリゴンモデルによる部分削除は、リアルタイムブーリアン処理法を新規開発した。骨硬度に関しては、倫理委員会承認の下、ヒト頭蓋骨の硬度を測定した。4例の頭蓋骨骨片の複数箇所の皮質骨および海綿骨部のスラスト値および断面測定を実施した。この計測結果とCTのボリュームデータから算出した骨硬度および断面情報をカラーマップに変換した。聴覚情報はドリル音、触覚情報はコントローラーの振動とした。骨ドリリング操作に精通した脳神経外科専門医3名に操作してもらい、パラメータをチューニングした。最後に令和3年度までに開発した複合現実モデルを搭載して情報統合手術シミュレータを完成させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は、計画書に記載された内容は全て達成した。開発シミュレータに予定した全ての機能を開発実装した。 研究成果として2編の論文が国際誌に受理された。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度も下記のように予定通り研究をすすめる。学生実習における有効性と精度検証 提案複合現実モデルの精度検証に関しては、脳腫瘍30症例を対象に手術所見と術前医用画像との位置合わせ精度を検証する。複合現実モデル上の10箇所のtarget registration errorを測定する。対照は市販手術ナビゲーションシステムの位置合わせ精度とする。提案技術の教育効果の検証に関しては、脳神経外科専門医10 名および医学部5年生30名を対象に、情報統合手術シミュレータの有用性と精度を検証する。モデル形状、手術器具の操作感と操作性、触覚支援技術の効果、オ ンライン実習におけるデータ通信量などに関して評価する。級内相関係数を用いた解析によって提案シミュレータの信頼性を評価する。
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